2018年度工学院大学大学院・システムデザイン専攻
金融特論(Advanced Financial Theory)[5306]
2単位 梅根 嗣之 非常勤講師 梅根 嗣之 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- 金融(ファイナンス)の基礎的な概念や考え方を理解することをねらいとします。
会社が事業を行う場合にも家庭が住居を購入するときにもお金を調達する必要があります。一方で、そういった企業や家庭がお金を調達することができるのは、別の家庭や企業がお金を預けたり、投資をしたりするからです。こうしたお金の過不足から生じるニーズをマッチさせる仕組みが金融(ファイナンス)です。これからの人生において、会社でも家庭でも、金融(ファイナンス)の知識と理解があなたを助けることになるでしょう、 具体的な到達目標として、以下の2つを置くこととします。 @ 銀行に預金したり、証券投資をしたり、年金を積み立てることの意味を理解し、実践的に運用の考え方や方法を理解する。 A 会社が事業プロジェクトや企業買収したり、個人が投資や大きな買い物をしたりする際の判断基準となる、事業価値評価の方法を実践的に習得する。 Course objectives and its specific goals: The aim of this course is to understand the basic concept and the ways of thinking of finance. When a company operates its business or a household purchases a house, it requires to raise the fund. Such funding is enabled by the fact someone else deposits his/her money in bank accounts or invests in equity shares or bonds. The mechanism which matches the different needs of individuals and companies is called as “finance.” In your life, knowledge and understanding of finance will help you in the firm you will work at and in the family you will have. The specific goals to achieve are: 1) Understand the meaning of depositing money in bank account, investing in securities, and accumulating pension assets and practically learn how we invest money and what instruments we invest in 2) Study the valuation methods which are indispensable for corporate managers to make judgment of investment or acquisition and for individuals to make decision of asset acquisition.
(JABEE学習・教育到達目標) 「システムデザインプログラム」 (B)幅広い視野を身につけるための関連領域(技術経営,知財,マネジメント等)に関する知識と認識をもち,高度なオペレーション能力を身につけた人材を育成する:◎
JABEE基準1の(2)の内容 (a),(e):◎ (b),(h),(i):○
- <授業計画及び準備学習>
- 1. ガイダンス1:お金の役割、お金を貯めるということ、お金を貸すということ、お金を投資するということとは?資産運用とは何か。エピソード「運用を巡るいくつかの悲喜劇」
準備学習:特になし 2. ガイダンス2:会社という制度の成り立ち、会社の事業投資とはどんなものか?資金調達をするということとは?エピソード「カナカナ株式会社経営会議」 準備学習:特になし 3. お金の定義と3つの機能:価値尺度、決済、価値貯蔵 準備学習:事前配布プリント 4. 資産運用の基礎:何のために行うのか?どんな方法があるのか? 準備学習:事前配布プリント 5. 預金・債券での運用とリスク・リターン: 準備学習:事前配布プリント 6. 株式での運用とリスク・リターン 準備学習:事前配布プリント 7. 資産運用の実際 準備学習:事前配布プリント 8. 企業金融 −事業運営と資金調達 準備学習:テキスト第1部第1章、第4章 9. 事業投資の判断 準備学習:テキスト第2部、第3部 10. 事業投資判断の実際 準備学習:テキスト第4章 11. 事業投資と資金調達 1 −資金調達とは− 準備学習:テキスト第5章 12. 事業投資と資金調達 2 −市場の不完全性− 準備学習:テキスト第1部第2章、第3章 13. 株式投資再考、融資・債券投資再考 準備学習:特になし 14. 講義の振り返りと成果の確認 授業は、講義に加え、必要に応じ演習等も組み入れ、実践的知識の習得も目標とします。なお上記の授業内容や順序は、受講者の関心、理解度等により変更の可能性があります。 Class schedule: 1. Guidance part I: What are roles of money, depositing and borrowing? What is investment in financial assets? Episodes on investments are shown. Preparation: not required 2. Guidance part II: What are corporate, business investment and funding? An episode, “corporate executive meeting at Kana-Kana Industries”, is shown. Preparation: not required 3. The role of money and its three basic functions Preparation: prior distributed materials 4. The foundation of investments: What are they for? In what ways? Preparation: prior distributed materials 5. Depositing in bank accounts and investing in bonds: risk and return Preparation: prior distributed materials 6. Investing in equity shares: risk and return Preparation: prior distributed materials 7. Practical methods of investments Preparation: prior distributed materials 8. Corporate finance: business operation and funding Preparation: Isagawa (2017) Part I Ch.1 and Ch.4 9. “Go or No Go” judgment of business investment Preparation: Isagawa (2017) Part II and Part III 10. Practice of judgment of business investment Preparation: Isagawa (2017) Part IV 11. Business investment and fund raising I Preparation: Isagawa (2017) Part V 12. Business investment and fund raising II Preparation: Isagawa (2017) Part I Ch.2 and Ch.3 13. Revisiting investment in equity shares or bonds and lending to corporate Preparation: prior distributed materials 14. Reflecting the course and the achievement
- <成績評価方法及び水準>
- 期末課題に対するレポートのウェイトを50%、授業への貢献のウェイトを50%とします。なお授業中の小テストないし持ち帰りの小レポートを最大2回実施する可能性があり、その評価を授業への貢献の半分(最大で全体の25%=50%x50%)に組み入れます。
Evaluation: Students are required to submit a course-end report (50%) and to contribute to the class discussion (50%), of which 25% would be evaluated by the result of in-class small exam or short reports.
- <教科書>
- ○砂川伸幸(2017)「コーポレートファイナンス入門<第2版>」日経文庫(860円+税)
第I部から第V部を範囲とします。
- <参考書>
- 【金融全般】
○内田浩史(2016)「金融」有斐閣 (3,400円+税) 金融を体系的に学べる教科書。良書と評判が高い。 【資産運用】 ○ボディー・ケイン・マーカス(2010、原書2009年)「インベストメント(第8版)上・下」マグローヒル(各5,000円+税) 投資理論を体系的に学べる教科書。米国の多くのビジネススクールで使用。 ○山崎元(2015)「ほったらかし投資術」朝日新書 (1,555円) ○山崎元(2015)「信じていいのか銀行員」講談社現代新書(760円+税) 投資理論に基づいて証券運用の実践的な方法を解説。営業トークに惑わされずに自分で投資を組み立てるノウハウを伝授。 【企業金融】 ○バーク・ディマーゾ(2011、原書も同じ)「コーポレートファイナンス(第2版)入門編・応用編」丸善出版 (入門編4,500円+税、応用編5,500円+税) 企業金融を体系的に学べる教科書。日米の多くのビジネススクールで使用。
- <オフィスアワー>
- 原則として、授業の後、教室で承ります。ただし事前にメールで連絡を入れてください。
メールアドレスは、tugumene@aol.com です。
- <学生へのメッセージ>
- 大学教員としては新米ですが、銀行で30年、食品会社で5年の勤務があり、そのうち20年弱が海外駐在(米国、英国、香港:含む留学)でした。現在はアカデミズムに転じて神戸大学でファイナンスの博士論文を作成中です。授業中でも授業外でもグローバルなビジネス体験や海外の大学事情を語っていきたいと思いますし、就職に関するサジェスチョンもできるでしょう。楽しみにしています。
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