2016年度工学院大学大学院・情報学専攻

画像特性計測処理特論(Image Characteristics Measurement)[4501]


2単位
於保 英作 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
以前は、画像処理と言えば専門性が高くやや特殊な存在であったが、現在ではごく普通に我々の生活の中で応用されている。しかし、それらをより有効に活用するためには、画像処理技術の習得のみならず画像自身の特性を十分に評価することが必要な場合も少なくない。特に、授業で用いる走査電子顕微鏡(SEM)の画像では、画質に関する議論が必須である。本特論では、ディジタル画像の性質を十分に吟味し、次にいくつかの基本的な画像処理技術と画質評価法につて学習・議論する。加えて、SEM分野に特有の画質劣化問題などについても言及する。

<授業計画及び準備学習>
1) イントロダクション、画像処理技術、走査電子顕微鏡像(SEM像)の性質
2) アナログ信号のディジタル化(量子化・標本化)、サンプリング定理、エイリアシング
3) 周波数、周波数特性、フーリエ変換について
4) SEM像のディジタル化、AD変換、DA変換、データ補間法
5) 画質改善・強調の基本、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ハイパスフィルタ
6) ローパスフィルタの有効性と問題点(アーティファクト)、ガウシャンフィルタ、ノイズが多い画像の平滑化
7) 同期加算、相互相関関数の利用、リカーシブ(再帰形)フィルタ
8) SEM像の倍率について、空間フィルタと周波数フィルタの比較、画像修復、非線形フィルタ
9) SEM像の画質測定、解像度、鮮鋭度、粒状度・・・
10) 周波数上限値・周波数特性の測定、パワースペクトル、Superposition diffractogram、窓関数の特徴・必要性
11) 自己相関関数、パワースペクトル、相互相関関数、クロススペクトルによる画像評価
12) SEM像の画質評価における、ノイズ、帯電、電子線ダメージ、電子ビーム径の影響
13) 共分散を用いた有効信号とノイズの分離、SN比測定、ホワイトノイズ、共分散による焦点合わせ
14) 学習内容の振り返り

<成績評価方法及び水準>
学習内容の理解度を確認する目的で基礎的な試験を行う(60点以上合格)。例年、本人の直筆ノートや配付資料などを持ち込み可としている。

<教科書>
プリント、文献を配布する。

<参考書>
プリント、文献を配布する。

<オフィスアワー>
後期水曜日 12:50〜13:25 八王子校舎13号館303室(ナノビーム計測情報研究室)
その他,短時間であれば授業終了後の教室においても質問を受け付けます。


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