2016年度工学院大学大学院・情報学専攻

ネットワーク情報システム特論(Distributed Systems and Networks)[2602]


2単位
小野  諭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
ネットワークとセキュリティに関する現代的なトピックスについて、事例分析、討論することを通じて、専門家として、セキュアシステムを企画・分析・設計する能力を養う。

今回は、スマホとクラウドが連携したサービスとして期待と注目度が高まっている 「モバイルペイメント」 システムをテーマとする。

本講義では、単に 0/1 のデジタルデータとしてのリスク(ビットリスク)だけではなく、ビジネスに起因するリスク(オペレーショナル・リスク)をICT技術を通して対応するセキュア・システムについて学ぶ。

(ここで「システム」とは、目的・目標をもつ人・組織、業務プロセス、それを支える ICT システムの組み合わせである。)

※システムデザイン専攻の履修者については以下が適用される。
(JABEE学習・教育到達目標)
「システムデザインプログラム」
(A)工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します:◎
JABEE基準1の(2)の内容
(c),(d):◎
(b),(e),(g):○

<授業計画及び準備学習>
1. オリエンテーション (第1回)

2. セキュアシステム設計とモバイルペイメントの基礎  (第2〜4回)

頭だしのため、基礎的な項目について講義し、関連資料を紹介する。

院生は、自ら積極的に事例収集して、分野地図をつくることが求められる。
必要ならば、グループをつくって、主に着目するテーマを定める。

3. 第1回目の討論とまとめ (第5〜7回)

各グループが持ち寄った資料や予備検討結果をもとに、技術やビジネスの動向、プレーヤー、評価方法などについて、自由に討論する。
セキュアシステムの設計方法論に基づいて、資料を分類・分析し、議論の方向性を定める。

4. 第2回目の討論と中間発表  (第8〜10回)

既存あるいは進展しつつある技術やビジネスの特徴を、目的・目標とリスク、評価方法、プレーヤーと業務プロセス、アーキテクチャ、基盤技術などから議論する。

特に 店頭で行われるカード提示 (Card Present) 取引と、ネットワーク経由で行われるカード非提示 (CNP: Card Not Present) の取引について、プロセスとリスクの違いに着目した議論を深める。

5. 第3回目の討論と最終発表・報告書作成 (第11〜13回)

グループとして、テーマを定めて、セキュアシステムの中での位置づけを明確にして発表する。

6. 全体の振り返り (第14回)

<成績評価方法及び水準>
発表(中間、最終)はグループ単位で行い、最終の報告書は、各自が作成する。
提出は、最終授業時。
評価の重みは、出席、討論、発表、報告書それぞれ 20, 25, 25, 30% である。

<教科書>
用いない。

<参考書>
必要に応じて、kuport、B0530 セキュアシステムラボラトリサーバを通じて配布する。

<オフィスアワー>
前期の期間、毎週木曜3限
新宿キャンパス 中層棟 B0530

<学生へのメッセージ>
ICT 技術は、場合によると、これまでのビジネス勝者の既得権と強みを一気に失わせ、新たなプレーヤが勢力を拡大する可能性(とリスク)を秘めています。
技術も、これまでは否定されていた方法が、状況の変化と新技術のサポートで優れた強みを発揮することがあります。

単に、従来のビジネスを自動化・ICT 化するための技術を扱うのではなく、ICT により初めて妥当なリスクで可能になるビジネスについて、調査・検討することで、専門家としての企画・分析・設計する能力を身につけてもらいたいと思います。


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