2016年度工学院大学大学院・情報学専攻

品質・セキュリティ管理特論(Quality and Security Management)[2308]


2単位
三木 良雄 教授  
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
企業活動におけるリスク全体を広義の品質・セキュリティととらえ、その種類とリスク回避方法について学ぶ。合わせて、ビッグデータを用いた企業活動におけるデータ分析システムやクラウドシステム、組み込みシステムなどの構成技術を概説する。
[到達目標]
(1)製品企画や事業運営に潜むリスクに関する理解力を養う。
(2)企業情報システム、クラウド、組み込みシステムなどの活用や発注条件において見落としがちな信頼性、セキュリティにおける仕様が明示できる力を養う。
(3)企業情報システム、クラウド、組み込みシステムなどにおける、信頼性確保のためのテスト方法やセキュリティ設計方針を身につける。

※システムデザイン専攻の履修者については以下が適用される。
(JABEE学習・教育到達目標)
「システムデザインプログラム」
(A)工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します:◎
JABEE基準1の(2)の内容
(c),(d):◎
(b),(e),(g):○

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス
製品企画と市場要求の不一致。マーケティングから制作、販売に至るまでの活動における情報管理、リスク管理の重要性を学ぶ

2.マーケティングと商品企画
 具体的な商材とビジネスを想定し、マーケットニーズを反映した商品の企画・設計の問題点と解決方法について学ぶ

3.IT活用による事業計画立案
 多変量解析をベースにアンケートや動向分析に基づく事業計画、戦略の立案法を学ぶ

4.QFDによる設計項目決定
 QFDを用いて前回想定した商材の設計項目を決定する。

5.品質の作り込み
 設計検証方法、ロバスト設計法、MT法等の基礎を学び、具体的な設計開発計画を立案できる力を養う

6.ビジネスモデル設計
 ビジネスモデルのパターンとテンプレートを学び、想定事業のビジネスモデルを具体化する

7.ビジネス戦略とリスク対応
 ビジネスフレームワークを体系的に学び、その戦略的活用を実践的に学ぶ 

8.企業ITシステム
 社会インフラから一般企業まで、多様なITシステムの実例を学び、活用法とリスクの関係を学ぶ

9.事業継続マネージメント
 事業継続を危機にさらす要因とその対策方法をBCP(Business Continuity Plan)とBIA(Busines Analysis Impact)を検討する形で学ぶ

10.個人情報とプライバシー
 個人情報とプライバシーの違いと法令で守られる範囲、守られない範囲を明確にすることで実務として管理しなければならない事項を学ぶ

11.SOX法による内部統制
 SOX法の背景と現在の会社法から内部統制の必要性と仕組みIT統制フレームワークであるCOBITを通してを学ぶ

12.企業セキュリティと国際標準
 企業セキュリティに関係する国際標準(ISO17799,ISO15408)等をとおして、企業内にセキュリティを文化として定着させる方法を学ぶ

13.事業計画構成法
 ここまで学習した企業リスクの低減、回避方法を具体的なビジネスプランとして作り上げる

14.振り返りと総復習
 学修内容と実務との対応を具体的にすることで、ビジネス品質の向上についての本質を学ぶ

<成績評価方法及び水準>
レポートと授業中の発表によって評価し、100点満点中60点以上を合格とする。理論的な理解と文書、発表による表現能力を評価する

<教科書>
講義資料をもってテキストとする

<参考書>
講義の中で適宜指定する

<オフィスアワー>
火曜日4限、A2376室または授業の教室にて

<学生へのメッセージ>
単にモノ作りの品質や情報システムのセキュリティに留まらず、本講義はビジネスのリスクやモデル論にまで概念を拡大して実施します。システムやビジネス設計をテーマとしている学生は積極的に受講してください


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