2016年度工学院大学大学院・建築学専攻

アセット・マネジメント(Assets Management)[4503]


2単位
中村 孝明 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
近年、オフィスビル、賃貸住宅、ホテル、倉庫、さらに有料道路に至るまで、証券化の急進が著しい。また、開発プロジェクトについても、計画・設計段階から証券化スキームを利用するケースが増えている。証券化の普及によって、建築物の価値は、安全性や耐久性 美観や環境負荷などの観点に加え、収益資産としてのパフォーマンスも重要になった。このような時代、建設工学と金融・経済が融合した境界領域での技術が要求され、同時に、建築資産を対象としたアセットマネジメント、リスクマネジメントが必要とされている。
本講義は、証券化の仕組み、収益資産としてのパフォーマンス評価、資金調達の方法、さらに資産価値の維持・向上を目標としたアセットマネジメントの考え方や基本的な方法を理解し、建設技術者の新領域の可能性を理解する。

<授業計画及び準備学習>
1. 証券化の役割と仕組み、建築物のパフォーマンス(ガイダンス)
2. デューデリジェンス(Due Diligence)の役割と内容
3. 金利と割引,DCF(Discounted Cash Flow)法
4. 正味現在価値と内部収益率による投資判断(課題)
5. (レポート提出と確認)資産構成と資金調達(ノンリコースローンとプロジェクトファイナンス)
6. 平均・分散モデルとリスクプレミアム(課題)
7. (レポート提出と確認)リスクの類型とリスクマネジメントの概念
8. 地震リスクの利活用(PML,SRM,BCP)
9. 地震リスク評価の方法 主に財務分析など
10.(レポート提出と確認)代替え的金融対策(キャットボンドなど)
11. 確率論的DCF法(Dynamic-DCF)
12. 社会資本のマネジメントと費用便益分析
13. リアルオプション(独占的オプション,相対オプション) (課題)
14.(レポート提出と確認)アセット・マネジメント総論

<成績評価方法及び水準>
成績評価:課題を与え、レポートを提出する
水準:授業を聞いていれば解答できる範囲

<教科書>
中村孝明:最新建設技術シリーズ第2巻、確率論的資産マネジメント,山海堂、2005年3月出版

<参考書>
中村孝明:実務に役立つ地震リスクマネジメント入門,丸善出版,2013年8月出版

<オフィスアワー>
木曜日 15:00~15:30 新宿校舎教員室


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