2016年度工学院大学大学院・化学応用学専攻

触媒反応工学特論(Catalytic Reaction Engineering)[5406]


2単位
五十嵐 哲 非常勤講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
<授業のねらい>触媒反応工学の対象は、触媒反応プロセスを工業化する場合の触媒反応の定量的な評価、反応を制御するための触媒反応過程の解析、反応条件の最適化、および触媒反応装置と反応条件の設計である。また、最近では、触媒反応工学は、触媒反応場での反応過程、物質移動過程、および熱移動過程からなるシステム全体の最適化を図ることも対象としている。本講では、触媒反応プロセスの中心的課題である固体触媒反応の速度過程について学ぶとともに、境膜中での拡散、触媒細孔内での拡散、および拡散と触媒特性の関係を知り、触媒反応プロセスの設計に必要な基礎知識と方法論を学ぶ。さらに、二、三の触媒反応プロセスの具体例から触媒反応工学の概要を理解する。
なお、工学においては定量的表現が設計のかなめとなるので、講義の理解のために計算を中心とする演習を行なうので、毎回、電卓を持参すること。
<具体的な到達目標>ナノレベル(触媒)からマクロレベル(反応器)までを対象とする触媒反応工学の概要を学ぶことによって、触媒反応プロセスの設計指針を理解するこを目的とする。また、触媒反応プロセスや化学工業プロセスにとどまらず、広義の工業プロセスを自ら選定・調査し、最終回に要旨とパワーポイントを用いて学会形式で発表することによって、工業技術者としてのプロセス全体についての見る眼を養うとともに、プレゼン能力の修得を図ることも目的とする。

<授業計画及び準備学習>
1.触媒化学の基礎
2.反応速度論の基礎
3.反応工学の基礎
4.触媒反応工学の目的
5.触媒反応工学のトピックス(1)
6.触媒反応装置の合理的な設計
7.反応速度の解析法
8.気固触媒反応の過程
9.触媒反応工学のトピックス(2)
10.反応速度への拡散の影響、「プロセスの検討と考察」の発表内容についての予備報告
11.触媒有効係数
12.物理吸着と化学吸着、「プロセスの検討と考察」の発表内容の決定
13.触媒反応工学のトピックス(3)
14.吸着等温式とL-H機構による反応速度式
15.「プロセスの検討と考察」の発表

<成績評価方法及び水準>
成績は、「受講態度」(10点)、「レポート」(30点)、および「プロセスの検討と考察の発表」(60点)の総合評価とし、60点以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。プリントを配布する。

<参考書>
「新版 新しい触媒化学」菊地英一ら著(三共出版)
「化学反応操作」後藤繁雄編(朝倉書店)
この他に、講義のなかで最新情報を紹介する。

<オフィスアワー>
簡単な質問は授業後の教室で受け付けます。
また、E-mail:igarashi@cc.kogakuin.ac.jp で日時を約束の上、1号館講師室(1N-125室)にて質問を受け付けます。


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