☆タイヤ力学特論（Advanced Tire Mechanics）[2503]

＜授業のねらい及び具体的な到達目標＞

タイヤ力学の初歩から最新事例まで、タイヤ設計で用いられる力学を学び、現場で行われている設計に関する基礎理論を理解する。講義は執筆中の「Advanced Tire Mechanics」の内容を４年間で完結するように構成され、初年度は１章から５章までを、２年目は６章から９章までを、３年目は１０章から１２章までを講義した。今年度は１３章から１６章までを講義する。企業からも出席できるように夜に開催する授業とする。
以下に具体的な達成目標を示す。
１）タイヤで用いられる繊維補強タイプの複合材料力学の基礎を理解している。
２）タイヤの複数の性能に関する基礎理論を理解している。

（ＪＡＢＥＥ学習・教育目標）
「システムデザインプログラム」
(１) 工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力：（ｃ）（ｄ）の（1)：◎

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
授業を理解するためには、材料力学を習得していることが望ましい。

＜授業計画及び準備学習＞

第１回講義
１３章　転がり抵抗
１３．１．転がり抵抗について
１３．２．コーナリング時、駆動時の転がり抵抗
１３．３．過渡時の転がり抵抗
１３．４．実車での転がり抵抗
13.5.　Improvement of predictability of rolling resistance

第２回講義
13.6. Application of optimization technology to decrease rolling resistance
13.7.タイヤ設計からモビリティ設計へ

第３回講義
１４章　摩耗特性
１４．１．タイヤの摩耗、偏摩耗について
１４．２．スリップ角、スリップ率が小さいときの摩耗仕事量
１４．３．耐摩耗モデル
１４．４．積層板の理論と耐摩耗

第４回講義
１４．５．スリップ角、スリップ率が大きいときの摩耗仕事量
１４．６．偏摩耗の摩耗進展モデル
１４．７．複合滑り状態の摩耗仕事量

第５回講義
１４．８．摩耗と車両アライメント
１４．９．多角形摩耗
１４．１０．簡単な入力分布の摩耗・偏摩耗予測モデル
１４．１１．室内摩耗評価法
１４．１２．摩耗、偏摩耗の改良手法

第６回講義
１５章　スタンディングウェーブ
１５．１．スタンディングウェーブとは
１５．２．バイアスタイヤのスタンディングウェーブの1次元モデル
１５．３．ラジアルタイヤのスタンディングウェーブの１次元モデル　
１５．４．バイアスタイヤのスタンディングウェーブの２次元モデル
１５．５．ラジアルタイヤのスタンディングウェーブの２次元モデル
１５．６．有限要素法を用いたスタンディングウェーブの予測

第７回講義
１６．１　轍ワンダリング
１６．２ Prediction of Rain Groove Wandering
１６．３　車両流れ

＜成績評価方法及び水準＞

成績は出席と課題レポートの評価点で決定する.。
「システムデザインプログラム」の学習・教育目標(１)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

＜教科書＞

特に指定しない、プリント配布

＜参考書＞

特になし

＜オフィスアワー＞

火曜日：16:00以降（新宿　１７F　１７３６室）

＜学生へのメッセージ＞

私はタイヤ業界に33年間お世話になりました。タイヤ業界への恩返しとして執筆中の「Advanced Tire mechanics」を使った講義になります。未完成な部分も多く間違いも多いと思いますが、難しいけれど面白いタイヤ力学を一緒に学んでいきたいと思います。
The past is never fully gone. It is observed into the present and the future. It stays to shape what we are and what we do. Sir. William Deane, 1996