2016年度工学院大学大学院・機械工学専攻

システム工学特論(Advanced Systems Engineering)[2403]


2単位
八戸 英夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
特に大規模なシステムデザインに必要な考え方と最適化理論について講義する.なお,実践的能力を養うために,主に自動車・鉄道・船舶・航空機など,人や物が移動するための交通機械を環境にやさしく,安全かつ効率的に管理・運用するための交通システムを具体的テーマとして取り上げる.具体的な達成目標は,以下の通りである.
(1)システムの定義から大規模システムデザインの必須項目を説明できること.
(2)交通の定義,各種交通機械について理解し,説明できること.
(3)交通形態に応じた交通システムの考え方を理解し,説明できること.
(4)交通システムの最適化の考え方を理解し,各種最適化理論を習得すること
(5)安全性,環境問題,利便性など多様な評価指標で交通システムを分析できること.
(6)今後の大規模システムデザインについて探求する考え方を身につけること.

※システムデザイン専攻の履修者については以下が適用される。

(JABEE学習・教育到達目標)
「システムデザインプログラム」
(A)工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します:◎
(B)幅広い視野を身につけるための関連領域(技術経営,知財,マネジメント等)に関する知識と認識をもち,高度なオペレーション能力を身につけた人材を育成します:◎
(C)文献・実地調査,仮説の設定と検証などを行う能力をもち,さらに,技術的問題を分析し,課題を設定・解決できる技術者・研究者を育成します:◎

JABEE基準1の(2)の内容
(a),(c),(d),(e),(g):◎
(b),(f),(h),(i):○

<授業計画及び準備学習>
1.システムの定義と大規模システムデザインの必須項目
 準備学習:学部でシステム工学関連科目を履修した者はその総復習を行っておくこと.また,そうでない者はシステム工学関連書籍でシステムの定義を予習しておくこと.
2. 交通とシステムの定義から交通システムとは何かについて考える
 準備学習: 交通システムの現状と課題についてその概略を調べておくこと
3.主要交通機関の歴史
 準備学習:交通機関別の得失について調べておくこと
4.海上交通システムの現状と課題
 準備学習:日本の海上交通の現状について調べておくこと
5.鉄道交通システムの現状と課題
 準備学習:日本の鉄道交通の現状について調べておくこと
6.道路交通システムの現状と課題
 準備学習:日本の道路交通の現状について調べておくこと
7.航空交通システムの現状と課題
 準備学習:日本の航空交通の現状について調べておくこと
8.総合交通システムの現状と課題
 準備学習:日本の総合交通政策について調べておくこと
9.交通システムにおける最適化技法1  … 最適交通量配分問題
 準備学習:ウォードロップの原理について予習しておくこと
10.交通システムにおける最適化技法2  … ダイヤに基づく設備運用法
 準備学習:ハンガリー法について予習しておくこと
11.交通システムにおける最適化技法3 … 最適交通機関配分問題
 準備学習:ラグランジュの未定乗数法について復習しておくこと
12.交通システムの設計法
 準備学習:前回までの講義テキストを復習しておくこと
13.交通システムと安全性
 準備学習:前回までの講義テキストを復習しておくこと
14.講義のふりかえり
 準備学習:講義の総復習をしておくこと

<成績評価方法及び水準>
一週目に欠席のときは原則的に単位を認めない.
講義テキストに記載されている演習課題の採点結果が平均60点以上の者に単位を認める.
なお,演習に必要となる関数電卓は毎週必ず用意しておくこと.
正当なる理由なく,遅刻,欠席のときはその時間内の演習点は0点となる.

<教科書>
自著のテキストを配布する.

<参考書>
1.Transportation Planning Models,Michael Florian,North-Hollaqnd
2.「運輸白書」,国土交通省監修 
3.「交通安全白書」,総務庁編
4.「システム工学」,岸光男,共立出版株式会社
5.「交通システム工学 -航空・海上編-」,藤井弥平他,コロナ社
6.「交通システム工学 -鉄道・道路編-」,海老原浩一他,コロナ社

<オフィスアワー>
火曜日 17:30〜19:15 新宿キャンパス 高層棟A-1774室(計画工学研究室)もしくは,
講義前後に受け付ける.

<学生へのメッセージ>
大規模システムデザインの知識は,交通分野だけでなく,経営システム,生産システム,電力システムなど応用範囲が極めて広い.その中で交通システムを主題としているのは,あらゆる経済活動を支える基盤であるために,その建設,保守・管理に世界中で毎年莫大な投資が行われており,ハード・ソフト共に最新の技術が用いられているためである.しかしながら,解決すべき問題点も数多く残っており,これらの問題解決の方策を探求する中で大規模システムデザインの実践力を身につけてもらいたい.


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