2016年度工学院大学大学院・機械工学専攻

衝撃工学特論(Advanced Course of Impact Engineering)[1302]


2単位
田中 克昌 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
車や電車の衝突,高層建築物からの落下物衝撃,台風や竜巻による飛散破片物の衝突など,日常生活の中で起きている衝撃問題は,社会生活上の安全性を確保する観点から,近年ますます重要になってきている.しかし,衝撃負荷を受ける構造物の挙動は,静荷重を受ける場合の挙動とは異なり,この違いを理解しておくことが安全設計を行う上で必要とされる.
 本講義では,衝撃問題を扱う上で基礎となる弾性応力波の挙動に関する基本的事項を中心に解説することにより,衝撃問題を応力波の伝播として理解することを目的とする.

<授業計画及び準備学習>
1.ガイダンス,日常生活にある身近な衝撃
2.衝撃を理解するための基礎的事項(1) 物理学における衝突問題
3.衝撃を理解するための基礎的事項(2) 材料力学における衝突問題
4.動弾性理論
5.棒の縦衝撃理論と支配方程式
6.棒中を伝播する応力波の性質
7.図式解法による応力波の解析(1)
8.図式解法による応力波の解析(2)
9.波動伝播理論による棒の応力解析(1) ラプラス変換
10.波動伝播理論による棒の応力解析(2) 逆ラプラス変換
11.波動伝播理論による棒の応力解析(3) 図式解放による解との比較
12.棒の縦衝撃における逆問題の解析
12.棒の縦衝撃における逆問題の解析を用いた応用例
13.ばね・質点系による近似解析
14.学習成果の振り返り

<成績評価方法及び水準>
成績評価は,講義の中で出題する課題(40%)および最終レポート(60%)により行い,合計60点以上の者を合格とする.

<教科書>
指定教科書なし.必要に応じて,プリントを配布する.

<参考書>
石川信隆ほか3名,基礎からの衝撃工学,森北出版(2008),ISBN:978-4-627-94711-5

<オフィスアワー>
簡単な質問は,授業後の教室にて受け付ける
火曜日 12:30〜13:30 新宿校舎 高層棟A-1776室(スポーツ材料力学研究室,ktanaka@cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
有限要素解析など,数値解析ツールの大幅な進歩によって,現在では複雑な衝撃問題を,誰もが簡単に扱うことができるようになっている.しかし,そこで得られた解を正しく解釈するためには,衝撃現象を理解し,その問題解決のための知識を習得することが要求される.衝撃問題の場合,荷重は応力波となって固体の中を伝播する,すなわち波動の問題として考えることができることを,この講義を通じて理解し,数値解析の結果を正しく判断するための基礎知識を身につけてほしい.


このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2016 Kogakuin University. All Rights Reserved.