2016年度工学院大学大学院・機械工学専攻

大規模数値流体解析特論(Advanced Large-scale Computational Fluid Dynamics)[0008]


2単位
飯田 明由 非常勤講師  
海保 真行 非常勤講師  
加藤 千幸 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/19

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
講義内容
自動車や航空機などの輸送機器や流体機械の開発では,コンピュータを利用した数値流体解析が幅広く行われるようになってきた.特に市販ソフトの進歩は著しく製品開発現場では数値解析を使うことが常識となっている.その反面,ソフトのブラックボックス化も危惧されている.
そこで本講義では数値流体解析の基礎について学ぶとともに,超並列計算機を用いた大規模数値流体解析によって,どのような計算が可能であり,またどのような計算はできないのかなど,数値流体力学を活用する上で必要な事項について解説する.また,実際の産業界での応用などを具体的に示すことにより数値流体解析が実際にどのように製品開発に使われているかについて示していく.講義ではサンプルプログラムを用いて実際に数値流体解析について学習するとともに,大規模数値解析には欠かせない並列解析手法についても解説する.
講義の進め方
講義は文部科学省戦略的基盤ソフトウェアの開発プロジェクトの代表者である加藤千幸東大生研教授に大規模数値流体解析の現状,可能性について解説していただく.並列解析手法,プリ・ポスト処理など大規模数値解析を行う上で必要となる基礎知識に関しては日立製作所機械研究所 海保真行主任研究員に解説及び演習を担当していただく.数値解析の基礎と企業における実用例(一部加藤教授),サンプルプログラムを用いた具体的な演習については機械工学専攻の飯田が担当する.

<授業計画及び準備学習>
1日目(東大・加藤千幸教授/豊橋技科大・飯田明由)
 1. 大規模数値流体解析の現状と課題
 2. 数値流体の基礎
 3. 並列解析の基礎
 4. 並列解析演習

2日目(豊橋技科大・飯田明由教授)
 5. 数値流体解析の基礎
 6. 数値流体解析演習(プログラミング) 
7. 乱流モデル
 8. 乱流解析(演習)

3日目(日立製作所・海保真行主幹研究長/豊橋技科大・飯田明由)
 9. 企業における大規模数値解析の事例紹介(解析のポイントと失敗しないために守るべき点)
10. ボクセル解析を用いた解析(実際に企業で使われているソフトを使ってデータ処理を行ないます)

<成績評価方法及び水準>
レポートにより評価する.レポート点が60点以上の学生を合格とする.

<教科書>
特になし.講義においてプリントを配布する.

<参考書>
Advance/FrontFlow/Redを用いた数値解析 小林敏雄監修(ISBN4-9902143-3-1)

<オフィスアワー>
土曜日 13時から15時(新宿)
上記以外の場合は,事前にメールで連絡してください.iida@me.tut.ac.jp

<学生へのメッセージ>
数値流体解析の世界的な権威である東大生研加藤先生より,数値流体解析の最先端の講義を聞くことができます.企業における解析事例や実際に企業で使用しているソフトを用いた演習を行ないます.流体関連の研究をしている学生の参考になると思います.


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