2015年度工学院大学大学院・システムデザイン専攻

機械材料シミュレーション特論(Advanced Mechanical Material Simulation)[4202]


2単位
菱田 博俊 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/10/17

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
 福島原子力発電所では、3月11日の東日本大震災で緊急冷却水注入装置が動作しないと言う大事件が発生した。原子力に限らず、科学は人類の進歩と破滅の両面を持つ両刃の剣である。破滅を回避する為には、科学に対する誠意(=地道な積み重ねと最新の注意)と、自然への感謝と、人間の力不足を謙虚に受け止める精神が必要である。
 さて、原子力工学分野では、物が大きくまた危険なので実験が容易ならない場合が多く、数値シミュレーションが非常に重要な研究手段となる。この講義では、核融合炉第一壁の熱疲労強度予測を例に、それを数値シミュレーションで実施するための具体的な方法論を解説する。一つ一つの考えを積み重ねる事で最終的な目的を達成できる事を味わい、感謝と謙虚と誠意を認識して貰いたい。

 また、第1日に簡単な(?)英語論文1編を各人に与えるので、最後にその和訳紹介をして貰う。英語を制するものは、世界を制する。

 専門と言う意味では、材料の構成式とパラメータ、ニューラルネットワーク、有限要素法解析、熱疲労等について、理解を深めてくれれば良い。

<授業計画及び準備学習>
 初回に単位取得に関係する講義運営システムの説明と一般的な諸注意をするので、必ず出席して下さい。万一欠席した場合には、必ず友人等に内容を確認しておく事。
 毎回、英文和訳の訓練を実施する。
 毎回、小さいレポートを提出する。

1.原子力工学と核融合炉第一壁
2.非線形材料特性とその構成式
3.熱疲労現象の有限要素法による数値シミュレーション
4.ニューラルネットワークを用いたパラメータ同定
5.諸君の英論文プレゼン

<成績評価方法及び水準>
 試験はしない。
 出席状況と英論文プレゼンにより評価する。

<教科書>
特に定めない。

<参考書>
特に定めない。
 キーワード:弾塑性理論、疲労、熱疲労、計算力学、構造設計、人工知能、ニューラルネットワーク。

 なお、材料学の基礎を学びたい者には、以下参考まで。
・菱田博俊:わかりやすい材料学の基礎、成山堂書店

<オフィスアワー>
 木曜日(会議等で不在の時もある)午後。メールでも逐次対応する。

<学生へのメッセージ>
 基礎理論と先端技術が融合した講義です。また、英語の論文を読む事で、英語読解力や英語的な思考論理も身に就くと思います。


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