☆タイヤ力学特論（Advanced Tire Mechanics）[2602]

＜授業のねらい及び具体的な到達目標＞

タイヤ力学の初歩から最新事例まで、タイヤ設計で用いられる力学を学び、現場で行われている設計に関する基礎理論を理解する。講義は執筆中の「タイヤ力学」の内容を３年間で完結するように構成され、初年度は１章から５章までを、２年目は６章から９章までを講義した。今年度は１０章から１４章の一部までを講義する。企業からも出席できるように夜に開催する授業とする。
以下に具体的な達成目標を示す。
１）タイヤで用いられる繊維補強タイプの複合材料力学の基礎を理解している。
２）タイヤの複数の性能に関する基礎理論を理解している。

（ＪＡＢＥＥ学習・教育目標）
「システムデザインプログラム」
(１) 工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成:◎
JABEE基準1の(1)の知識・能力：（ｃ）（ｄ）の（1)：◎

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
授業を理解するためには、材料力学を習得していることが望ましい。

＜授業計画及び準備学習＞

【３年度】
第１回講義
第１０章　タイヤ騒音
１０．１.　タイヤ騒音
１０．２．ピッチノイズについて

第２回講義
１０．３．Optimization of Tire Pitch Sequence
10.4 Pipe resonance noise
１０．５．tire acoustic cavity noise
１０．6．Horn Effect

第３回講義
１０．7．路面からの入力を考慮したロードノイズモデル
１０．8．Tire Noise Prediction by Computational Mechanics
第４回講義
１１章　コーナリング特性
１１．１．コーナリング特性に関するタイヤモデル

第５回講義
１１．２．コーナリング特性に関するタイヤモデル（スリップ角が大きい場合）
１１．３．制駆動時のコーナリング特性に関するタイヤモデル（スリップ角が小さい場合）
１１．４．制駆動時のコーナリング特性に関するタイヤモデル（スリップ角が大きい場合）

第６回講義
１１．５．コーナリング動特性に関するタイヤモデル
11.6. FE-tire model
１１．７．タイヤ特性と車両運動特性

第７回講義
第１２章　トラクション性能
１２．１．制動・駆動時のトラクション性能
１２．１．１．制駆動時に接地圧分布が変化しないトラクションのタイヤモデル
１２．１．２．制駆動時に接地圧分布が変化するトラクションのタイヤモデル（１）

第８回講義
１２．１．３．制駆動時に接地圧分布が変化するトラクションのタイヤモデル（２）
　１２．１．４．動的制動駆動性能
１２．２．ハイドロプレーニング
１２．２．１．ハイドロプレーニング
１２．２．２．完全ハイドロプレーニング
１２．２．３．力の釣り合いによる部分ハイドロプレーニングモデル

第９回講義
　１２．２．４．水の押しつぶしによる部分ハイドロプレーニングモデル
12.2.5. hydroplaning prediction by the computational mechanics

第１０回講義
12.3. traction on snow
12.4. traction on ice
１２．5．土の路面でのトラクション

第１１回講義
１３章　転がり抵抗（64ページ）
１３．１．転がり抵抗について

第１２回講義
１３．２．コーナリング時、駆動時の転がり抵抗
１３．３．過渡時の転がり抵抗
１３．４．実車での転がり抵抗
13.5.　improvement of predictability of rolling resistance

第１３回講義
13.6. Application of optimization technology to decrease rolling resistance
13.7.タイヤ設計からモビリティ設計へ

第１４回講義
１４章　摩耗特性
１４．１．タイヤの摩耗、偏摩耗について
１４．２．スリップ角、スリップ率が小さいときの摩耗仕事量
１４．３．耐摩耗モデル
１４．４．積層板の理論と耐摩耗

第１５回講義
１４．５．スリップ角、スリップ率が大きいときの摩耗仕事量

＜成績評価方法及び水準＞

成績は出席と課題レポートの評価点で決定する.。
「システムデザインプログラム」の学習・教育目標(１)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

＜教科書＞

特に指定しない、プリント配布

＜参考書＞

特に指定しない、プリント配布

＜オフィスアワー＞

火曜日：16:00以降（新宿　１７F　１７３６室）

＜学生へのメッセージ＞

私はタイヤ業界に33年間お世話になりました。タイヤ業界への恩返しとして執筆中の「Advanced Tire mechanics」を使った講義になります。未完成な部分も多く間違いも多いと思いますが、難しいけれど面白いタイヤ力学を一緒に学んでいきたいと思います。
The past is never fully gone. It is observed into the present and the future. It stays to shape what we are and what we do. Sir. William Deane, 1996