2015年度工学院大学大学院・建築学専攻

環境生態学特論(Environmental Ecology)[3510]


2単位
篠沢 健太 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/10/17

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
・「生態学」から、大学院の制作・研究活動に対する「環境」の視点や方法論を学ぶ。
・生態学の考え方を学び、土地を見、その履歴を明らかにし、将来の姿を思い描く術を身につける。
・植物生態学の基礎を学ぶことにより「場所」「空間」「時間」の概念を再考し、自らの研究・制作のヒントとする。

<授業計画及び準備学習>
■1 土地とその上に生育する植物との関係から考える「空間」と「場所」
1. 個体ー個体群ー群集、植物群落
 準備学習:植物群落と植栽の違いを調べ、「自分の植物群落」を決めておく(内容については授業で説明)。
2. 植物のかたちと「空間」
 準備学習:1種の樹木の樹形を準備し、そのかたちに潜む規則性と空間との関係を考える。
3. 植物群落のなりたちと「空間」「場所」
 準備学習:植物群落を構成する樹種と立地との関係について調べる。
4. 「場所」の傾きー環境傾度ー
 準備学習:「環境傾度」の用語について調べ、その身近な実例を1つ考えておく。
5. 樹を見て森も見るー植物群落の見方、調べ方ー
 準備学習:植生調査が行われた事例を1つ探し出し、その資料を準備する。
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■2 植物の相互関係と土地の変化によって生じる植生遷移から考える「時間」と「空間」
6. うつろいゆく森ー植生遷移ー
 準備学習:絵本「森は誰がつくったのだろう?」を読み、植生遷移の流れを把握する。
7. 植生遷移を意識して身近な風景を見直す
 準備学習:身近な風景の中に見られる植生遷移の例を1つ見つける。
8. 都市に森をつくるー植生遷移と植生管理ー
 準備学習:明治神宮の森がどのようにして作られたか?植生遷移との関わりから調べる。
9. 「アースダイバー」の風景ー人と植物群落の関わりの歴史ー
 準備学習:「縄文海進」とは何か?調べておく。
10. <討議>建築・都市と「遷移」
 準備学習:建築・都市と植生遷移の類似点、相違点をそれぞれ1つ以上挙げる。
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■3 植物が子孫を残すための種子から考える「創意工夫」
11. 植物の種子のいろいろ
 準備学習:植物の種子(実物)を5種類以上集め、植物について調べておく。
12. 生き残りのための創意工夫
 準備学習:植物の種子にみられる創意工夫について、実物を例に3点挙げる。
13. 「巧妙」で「精密」な機能と意匠
 準備学習:これまでの授業から示唆される生物多様性の重要性について、考えておく。
14. 植物の進化と環境の選択
 準備学習:系統樹の例を1つ探し出し、その流れと分岐点について考える。
15. 学習成果の確認(討議)
 準備学習:前回までの総復習を行うこと

<成績評価方法及び水準>
毎回の授業後に提出するコメントを60点満点(1回4点)、2回のレポート課題を20点満点(1回10点)で評価し、合計60点以上を合格とする。ただし3回以上欠席した学生は履修放棄とみなし成績評価を行わない。

<教科書>
必要な資料等は授業中に配布する

<参考書>
必要な資料等は授業中に配布する

<オフィスアワー>
水曜日4限

<学生へのメッセージ>
生態学の考え方から制作・研究へのヒントを掴むことを第一の目的としているため、教員からの一方的な講義だけでなく、関連するテーマについての討論やフィールドワーク、それらをまとめた発表会の実施も考えています。受講者が積極的に発言・行動することを期待しています。


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