2015年度工学院大学大学院・建築学専攻
都市計画特論(Theory of City Planning)[3211]
2単位 野澤 康 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- 以下の諸点をこの講義の達成目標とする。
1) 高齢化や人口減少など、現代都市が抱える問題を的確に認識している。 2) わが国の現行都市計画のフレームや制度がどのようなものであるか、そこに内在する課題は何かを適切に把握し、指摘できる。 3) これからの時代に適切に対応し得る都市計画制度がどのようなものであるべきかを考えることができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 以下の各項目について、講義、ディスカッション、レポート、プレゼンテーションを組み合わせて進めていく。
1. イントロダクション この講義の目的とフレームを説明する。 現代都市に対する問題意識の確認(ディスカッション)をする。
2. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み1 近代都市計画とわが国の現行都市計画のフレームについて学ぶ。 (一部は学部時代の講義の復習)
3. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み2 人口フレームとそれに起因する都市の問題について、データに基づいて考察する。
4. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み3 都市計画運用指針、都市計画マスタープラン、都市計画区域マスタープランについて、実例を見ながら学ぶ。
5. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み4 建築基準法の集団規定と各種緩和制度について、実際の都市空間と比較しながら学ぶ。
6. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み5 まちづくり条例、地区計画などのローカル・ルールについて、実例を通して考察する。
7. 都市計画の枠組みと将来像を描き実現する仕組み6 ここまでの内容から、都市計画のフレーム・制度の考え方の問題点を明確にし、今後どのようにしていくべきかのまとめの議論をする。(ディスカッションとレポート1作成)
8. 人口減少・高齢化と空き家増加・地方都市衰退1 空き家の増加による様々な問題について、文献研究を通して理解を深める。 また、空き家対策のための法律・条例の整備実態を、実例を見ながら学ぶ。
9. 人口減少・高齢化と空き家増加・地方都市衰退2 特に地方都市における市街地再開発事業の事例を通して、空き家問題や地域の衰退について考察する。
10. 人口減少・高齢化と空き家増加・地方都市衰退3 大都市における高齢化問題と、地方都市における高齢化問題を、比較しながらわが国のこれからの都市について考察する。
11. 人口減少・高齢化と空き家増加・地方都市衰退4 人口減少・高齢社会における交通などの社会インフラのあり方、今後の都市像について、日本の事例、海外の事例などを引きながら考察する。
12. 人口減少・高齢化と空き家増加・地方都市衰退5 8〜11の内容をもとに、高齢社会においてわが国の都市はどのようにあるべきか。論点を明確にした上で、議論を行い、各自の主張をまとめていく。(ディスカッションとレポート2作成)
13. これからの都市計画制度の設計1 12でとりまとめた都市像を実現し(レポート2)、また7でとりまとめた都市計画のフレーム・制度の問題点をクリアしていくためには(レポート1)、これからの都市計画制度はどのように設計するべきか。2つのレポートを元に、まず論点整理を行う。
14. これからの都市計画制度の設計2 13で整理をした論点をどのように展開していくか。グループ・ディスカッション(相互にプレゼンテーションし、フィードバックする)を通して、各自の方針を明確にする。
15. これからの都市計画制度の設計3 とりまとめて発表する。(プレゼンテーションとレポート3)
- <成績評価方法及び水準>
- 授業のための準備(事例収集、資料読解など)20%、授業時間中のディスカッション・プレゼンテーション30%、レポート(3回)50% で評価する。
- <教科書>
- 特に指定しない。
- <参考書>
- 講義の中で随時紹介する。
なお、学部の野澤の講義で使用していた教科書「都市計画」(川上光彦・著、森北出版)の内容を理解していることを前提として進める。基礎的な学習が不足していると思う受講希望者は予め復習しておくこと。
- <オフィスアワー>
- 講義前後に教室あるいは研究室(A2674号室)にて対応する。
また、その他、随時相談にのることは可能であるが、事前にアポイントを取ること。 メールにても可。nozawa@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 大学院生であるから、自らの専門分野からの視点はもちろん重要であるが、時にはそこを離れて、大きな視点から学習・議論を進めてみてほしい。
授業時間中にただ単にそこにいるだけでは全く意味がない。自ら調べ、考え、議論する姿勢が重要であり、予習・復習などの時間をしっかりと確保してほしい。授業に向けての準備として、かなりの量の資料や文献を読まなければならないことを覚悟して受講してほしい。
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2015 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|