2015年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻

交通シミュレーション特論(Transport Systems Simulation)[5504]


2単位
高木  亮 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/10/17

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
 シミュレーションは,研究を進める上で極めて有効なツールである反面,シミュレーションの複雑な中身がシミュレーションの実行者以外には見えにくいことなど問題も多い。本講義では,シミュレーションに関して必要な基礎知識を概観するとともに,担当者である高木が自ら作成した交通システムに関する研究のためのシミュレーションツールについて,その構造や考え方を紹介し,シミュレーションという手法による研究について主として体験的に理解することを目的とする。

※システムデザイン専攻の履修者については以下が適用される。

(JABEE学習・教育到達目標)
「システムデザインプログラム」
(A)工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します:◎

JABEE基準1の(2)の内容
(c),(d):◎
(b),(e),(g):○

<授業計画及び準備学習>
1. シミュレーションとは
 シミュレーション 評価 最適化 サイバネティクス シミュラクル
2. シミュレーションの方法
 運転理論と列車走行シミュレーションを例に
3. シミュレーションの環境
 プログラミング言語 シミュレーションのための各種のツール UMLなど
4. ライブラリを使う
 XML パーサを例に
5. 数値演算法
 積分 微分方程式の数値解法 行列 そのほかの知識
6. データ構造,グラフ理論
 ダイクストラ法のプログラム紹介
7. 最適化
 各種最適化手法
8. 列車ダイヤの評価 (1)
 評価の考え方
9. 列車ダイヤの評価 (2)
 「モデル」づくり
10. 列車ダイヤの評価 (3)
 入力データファイルの設計
11.列車ダイヤの評価 (4)
 評価のために解くべき問題の生成
12.列車ダイヤの評価 (5)
 結果から評価を抽出する方法
13.評価演習 (1)
14.評価演習 (2)
 実際に評価を行ってみる
15. 学習成果の確認(レポート)

準備学習:
 予習は特に必要なし。
 復習は講義時に配布された資料等を読み込み,関連資料等を可能な限り幅広くあたること。練習問題等があれば自分で手を動かし解いてみること。コード(プログラム)は,読解を試み,また実際に手許のコンピュータを用いてコンパイルして動かしてみるよう努めてほしい(つまりそのコードをコンパイル・実行できる環境を用意して講義に臨んでほしいということ)。

<成績評価方法及び水準>
 レポートによる。ただし,特に評価演習には積極的に参加すること。

<教科書>
 なし。プリントを配付する。

<参考書>
「最新 電気鉄道工学 (改訂版)」,コロナ社 (2012). ISBN 978-4339008333

<オフィスアワー>
短い質問は講義終了直後に。時間が必要な場合,事前に電子メール takagi at cc.kogakuin.ac.jp (注: at を @ に置き換えて全体をつなげるとメールアドレスになる)で相談の日時や場所を約束してほしい。

<学生へのメッセージ>
 特定の問題を解くためにシミュレーションがどう利用されているかを「体験的に」理解する,ということを狙いとしていますので,ある意味で「まったく役に立たない」講義です。しかし,他ではなかなか覗くことのできない,「ひとがやっている」シミュレーションを覗くことができる,という点では,きわめておもしろい講義でもあろうと思います。ぜひ,積極的に講義に参加してください。


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