2015年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻

電気応用物性特論(Tribo-material Physics for Electrical Application)[2211]


2単位
渡辺 克忠 非常勤講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2015/10/17

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
電気鉄道におけるパンタグラフとトロリー線間のしゅう動に代表されるように、機械的接触面を介しての電気エネルギーあるいは電気信号の伝達は応用面でも重要な機構である。本講義では、主として金属接続界面の電気物性論を講義する。接続界面に電流を流した時に発生するFritting現象、集中抵抗、境界抵抗などについてR.Holm理論を中心に最新の理論を講じ、接続体が移動するのに適した層状固体潤滑剤についてのW.E.Jamison理論を学ぶ。接続素子の応用として電気接点材料を取り上げ単一金属、半導体材料、超電動材料についても学ぶ。宇宙空間における人工衛星で使用できる材料の問題点を把握し大気中におけるより良い接続・接触材料の応用概念を持つことを目指す。

<授業計画及び準備学習>
<準備学習>学部時代の物性論関係及び電気計測の教科書を復習しておくこと。
<授業計画>
1.R.Holmの接触境界抵抗の理論
2.Constriction resistanceの計算
3.接触抵抗の温度依存性について
4.Wiedemann-Franz-Lorentzの法則
5.Symmetric constrictionにおけるφ―Θ理論
6.Fritting 現象について、
7.Greenwoodの多点接触理論
1)数学的解析
8.Greenwoodの多点接触理論
2)クラスタの適用
9.一般的クラスタのホルム半径
10.W.E.Jamison 理論を中心とした層状固体潤滑剤の結晶構造について
11. インターカレーション技術
12.接点材料;単一金属、合金、2元、3元合金、など
13.自己潤滑性複合材料;Cu-Nb系、Cu-Sn系,W系、黒鉛系複合材料
14.超伝導材料
15.研究課題を課し,学習成果を確認する。

<成績評価方法及び水準>
試験または研究課題のレポートで60点以上を合格とする。

<教科書>
必要な資料、論文は配布する。

<参考書>
授業中に指示する。

<オフィスアワー>
質問随時受付可
メールアドレス:watanabe@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
「百聞は一見にしかず。」で、できるだけ実物を手にして体験をしてもらいたいと思っています。受講生が多すぎると体験学習は難しくなりますが、毎年好評です。


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