2015年度工学院大学大学院・化学応用学専攻
生物化学工学特論(Biochemical Engineering)[0003]
2単位 関 実 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- 生化学的・生物学的な反応プロセス(バイオリアクター:Bioreactor) 及び 生物生産物の分離プロセス(バイオセパレーション: Bioseparation)を対象として,速度論的概念(cf.平衡論)を基礎にして,生物反応システム(反応と分離)の解析・設計・計測・制御に関する基本的な考え方を理解すること。
- <授業計画及び準備学習>
- 0:イントロダクション
自己紹介,生物反応工学とは, 1:酵素について 酵素とは,分類と命名法,酵素反応の特徴 2:酵素反応の速度論(1) 生物反応の平衡,M-M型反応,反応速度定数,各種の阻害形式 3:酵素反応の速度論(2) 多基質反応,pH依存性,温度依存性,失活の速度論 4:酵素反応の応用 工業的な酵素反応,分析・診断技術,固定化酵素,固定化生体触媒 5:細胞の増殖および反応の速度論(1) 生体触媒としての細胞,細胞増殖のモデル化,調和型増殖の速度論,Monod式, 速度定数の評価法,回分培養における増殖,構造化モデル 6:細胞の増殖および反応の速度論(2) 基質の消費速度,代謝産物の生産速度,収率,死滅の速度論 7:生物反応システムにおける輸送現象(1) 反応過程と移動過程,培養系の物質移動過程,好気培養における酸素移動,酸素移動速度, 気液物質移動 8:生物反応システムにおける輸送現象(2) 撹拌培養系,物質移動係数,レオロジー,熱移動 9:生物反応システムの設計と解析(1) 生物反応装置の形式,各種の反応操作,混合過程 10:生物反応システムの設計と解析(2) 連続培養の解析,大量培養技術,動植物細胞培養 11:生物反応システムの計測と制御 センサーの分類,測定項目,物理化学センサー,バイオセンサー,制御手法 12:バイオ生産物の分離プロセス(1) 遠心分離,細胞破砕,膜分離,沈降分離 13:バイオ生産物の分離プロセス(2) 抽出,クロマト分離,電気泳動,晶析,凍結乾燥 14:バイオプロセスのEconomics 概念設計,固定費,変動費,コスト評価 15:テスト
- <成績評価方法及び水準>
- 授業中に課すクイズ・ホームワーク(10%)および最後に実施するテスト(90%)の成績の合計が,おおむね60%を超えていること。
- <教科書>
- なし。ただし,講義の内容に則したプリントを配布する。
- <参考書>
- 「生物反応工学」第3版,山根恒夫 著,産業図書(株)(2002)
- <オフィスアワー>
- 質問等は,講義の前後,あるいは,メール(アドレスはプリントに明示)で行うことができる。
- <学生へのメッセージ>
- 基本的な考え方を学んで下さい。
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