2014年度工学院大学大学院・建築学専攻

アセット・マネジメント(Assets Management)[4503]


2単位
中村 孝明 非常勤講師

最終更新日 : 2014/10/01

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
現在、オフィスビル、賃貸住宅、さらにホテル、倉庫、有料道路に至るまで、証券化の急進が著しい。また、開発プロジェクトについても、計画・設計段階から証券化スキームを利用するケースが増えている。証券化の普及によって、建築物の価値は、安全性や耐久性 美観や環境負荷などの観点に加え、収益資産としてのパフォーマンスも重要になった。このような時代、建設工学と金融・経済が融合した境界領域での技術が要求され、同時に、建築資産を対象としたアセットマネジメント、リスクマネジメントが必要とされている。
本講義は、証券化の仕組み、収益資産としてのパフォーマンス評価、資産価値の効率的な維持・向上を目標に、リスクを加味したアセットマネジメントの考え方や基本的な方法を理解し、建設技術者の新領域の可能性を理解する。

<授業計画及び準備学習>
1. 証券化の役割と仕組み、建築物のパフォーマンスと資産価値
2. デューデリジェンス(Due Diligence)の役割と内容
3. 金利と割引,DCF(Discounted Cash Flow)法
4. 正味現在価値、内部収益率による投資判断
5. 平均・分散モデルとリスクプレミアム(主に金融資産を対象に).
6. 資産構成と資金調達(ノンリコースローンとプロジェクトファイナンス)
7. リスクの類型とリスクマネジメントの概念
8. 地震リスクの利活用(PML,SRM,BCP)
9. 地震リスク評価の方法
10. 確率過程の基礎数理とランダム・ウォーク
11. 確率論的DCF法(Dynamic-DCF)
12. リスクを考慮した資産価値評価とマネジメント
13. リアルオプション(独占的オプション,相対オプション)
14. アセットマネジメント総論

<成績評価方法及び水準>
成績評価:課題を与え、レポートを提出する
水準:授業を聞いていれば解答できる範囲

<教科書>
毎回資料を配布する。

<参考書>
中村孝明:実務に役立つ地震リスクマネジメント,丸善出版,2013年7月,120頁

<オフィスアワー>
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