2014年度工学院大学大学院・建築学専攻
建築保存修復実務特論(Professional Practice for Historic Preservation)[2701]
2単位 後藤 治 教授 [ 教員業績 JP EN ] 川本 泉 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- 現在の建設界をとりまく環境は、地球環境保全へ移行した方向性や、公共工事の減少と少子高齢化等を背景に新築が減り、建物の維持保全がより重要な位置づけにある時代となっている。
したがって、「いい物を作り きちんと手入れして 長く大切につかう」ことを念頭に置いた社会的、地球環境的な活動が求められている。 次世代を支える建築学生は、時代背景の理解と建設界の課題共有のもと、当授業から技術的知識を学び、テーマの発掘等、各課題解決にむけた考え方を学ぶことを目的とする。
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週 :イントロダクション
第2〜7週 :木造他 保存修復の実務の概要 劣化診断と調査、虫菌類による被害、非破壊調査 木造とそれ以外の構造による違い 復原修理、利活用のための整備 構造補強、防火対策 修理工事報告書レポート 第8〜15週 :RC造 コンクリートの歴史----古代のコンクリート、現在のコンクリート、関係法規とJASS-5および、それらの変遷、調合の変遷、 鉄筋コンクリートの劣化とそのメカニズム 劣化の事例:施工時および初期の潜在劣化、経年劣化、地域特性、環境の影響 調査診断:建物点検、劣化の原因推定、劣化の将来予測、修繕計画立案、対策 対策:事後保全と予防保全 調査方法:非破壊検査、微破壊検査 建物と人:劣化と老化の類似点、固体 (個人)差が大きい、経過観察(健康診断)が重要 建築と土木:環境や要求される性能の違い、劣化事例と修復事例、それぞれの課題 保全(維持・補修・改修・補強・保存) 全国のマンションストック数------国土交通省より 建設投資の推移、維持修繕工事の推移-----日建連 建設業ハンドブックより マンションの特殊性(固有の課題)、区分所有法、マンション管理適正化法、住宅品確法(住宅性能保証制度)、住生活基本法、長期優良住宅普及促進法----等 小グループによる劣化事象収集レポート提出(劣化の原因予測と考察)→レポートの発表と討論 物件視察(築古マンションの改修工事での研修)
- <成績評価方法及び水準>
- 各人の発表及びそれに基づくレポートによって評価する。
- <教科書>
- 特に定めない
- <参考書>
- コンクリートの診断技術(JCI)、コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針(JCI)、その他授業中に示す
- <オフィスアワー>
- 新宿校舎2672号室火曜日21:10〜21:30
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2014 Kogakuin University. All Rights Reserved. |
|