2014年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻
電子物性工学特論(Solid State Physics for Electronics)[5405]
2単位 吉川 明彦 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- エレクトロニクスにおけるデバイス開発や材料の性質を理解する上で、半導体物性および量子力学の基礎を修得することは必要不可欠である。本講義では、固体中の電子の振る舞いを記述・理解する上で必要な量子力学の基礎を学び、その必要性や特徴を理解する。また、半導体のエネルギーバンド理論や量子井戸構造・ナノ構造の基礎物性・基礎事項を量子力学により理解し、その電子物性を如何に制御するかを学ぶ。なお、後期に開講される「光物性工学特論」を受講する希望者は「電子物性工学特論」を履修することが望ましい。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 電子物性と量子論
2. 量子力学の基礎 3. 電子の波動性とシュレーディンガーの方程式 4. 結晶内内の自由電子の振る舞いI(一電子近似) 5. 結晶内内の自由電子の振る舞いII(井戸型ポテンシャル内の電子) 6.結晶内の自由電子の振る舞いIII(電子の座席・状態密度) 7. クローニッヒ・ペニーモデルとエネルギーバンド(周期ポテンシャルとブロッホ関数) 8. 半導体中の電子と正孔の振る舞い 9. キャリアの拡散とドリフト 10.擬フェルミ準位による非熱平衡状態のエネルギーバンド 12. pn接合の形成 13.pn接合の電流輸送特性 14.半導体と金属との接触とその特性 15. 総合講義とテスト
- <成績評価方法及び水準>
- 評価は原則として試験叉はレポートによる。基礎的事項の理解度を重視する。
特に、(1)半導体内の電子のふるまい、および(2)半導体中のキャリアの輸送と特性と制御を理解することに重点を置いて評価する。
- <教科書>
- 特に、使用しない。プリントを配布することがある。
- <参考書>
- 電子物性概論(量子論の基礎)(阿部正紀著)培風館、他
- <オフィスアワー>
- 講義後、教授室(5号棟803号室)で。
- <学生へのメッセージ>
- 半導体によってさまざまな高度な機能の電子・光デバイスが身の回りにたくさんあり、またさらに新機能のデバイスが開発されつつあります。半導体を中心とした固体中の電子のふるまいを”楽しみながら”理解し、さらに新しいデバイス開発に一緒にチャレンジしましょう。
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