2014年度工学院大学大学院・機械工学専攻
☆スポーツ流体力学特論(Advanced Sports Fluid Mechanics)[2402]
2単位 伊藤 慎一郎 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な到達目標>
- スポーツ競技は体力,技能の問題であり,工学的な問題は,あまり関与しないように思われがちである.しかしながらスポーツ競技を動作解析すると様々な工学的要素によって構築されていることがわかる.今回の授業ではサッカー,野球,水泳,マラソン,スキージャンプなどのスポーツ競技を流体力学の応用例として捉え,それぞれが重要な技に関係することを学び,一見工学とは異なる分野の課題を科学的に分析する能力を身に着ける.
※システムデザイン専攻の履修者については以下が適用される。
(JABEE学習・教育到達目標) 「システムデザインプログラム」 (A)工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します:◎
JABEE基準1の(2)の内容 (c),(d):◎ (b),(e),(g):○
- <授業計画及び準備学習>
- 1. [野球の変化球] コアンダ効果他について
2. [サッカーボール・バレーボールの変化球]ナックルボール効果とレイノルズ・クライシス 3. [ベクトル解析1] ベクトル場の微分(傾き,grad) 4.[ベクトル解析2] ベクトル場の積分(div, rot) 5. [ベクトル解析3] 流体の加速度,ベクトル表現等 6. [流体の方程式] オイラーの運動方程式 7. [スキージャンプ] 速度三角形と2次元翼, 3次元翼 8. [流体の方程式] オイラーの運動方程式 9. [流体の方程式] 粘性とNS方程式 10. [泳法と疲労度,機械効率] 泳ぎの最適化,生物学的効率と機械効率の違い 11. [背泳ぎ,バタフライ,平泳ぎ,シンクロナイズド・スイミング] 泳ぎの最適化,定常流体と非定常流体 12. [水着の流体力学] 圧力抵抗(形状抵抗)と摩擦抵抗 13. [マラソンとトライアスロン] スリップストリームと波乗り効果 14. [スタートとターン] 経路最適化 15. [データロガーと動作解析] データ採取方法と解析方法
- <成績評価方法及び水準>
- レポート60%, 平常点40%,総合得点100点満点で採点し,60点以上の者に単位を認める.
- <教科書>
- http://fluid.mech.kogakuin.ac.jp に資料Upload
資料配布
- <参考書>
- 「流体の力学」谷田 好通著(朝倉書店)
「流体力学」杉山他著(森北出版) 「スポーツデータ」太田 憲 ・木村 広・仰木 裕嗣・広津 信義著(共立出版) 「流体力学 (JSMEテキストシリーズ)」日本機械学会 (著) (日本機械学会) 「流体力学(1)」大橋秀雄著(コロナ社) 「基礎から学ぶ流体力学」飯田明由・小川隆申・武井昌宏・著(オーム社)
- <オフィスアワー>
- 火曜日16:30-18:00
これ以外の時間帯の場合は,メールにて確認してから来てください. ito@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- スポーツ競技を通して,流体力学に親しみを持ってもらえると嬉しいです.スポーツ観戦も別の見方ができることでしょう.また,スポーツ選手にとっては,技能は体得するものであるが,流体力学なり,物理なりを理解するとより技能の習得が早まることがこの講義で理解できると思います.身の回りの出来事でも力学的な現象に変換できるような把握能力を見につけてください.
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