2014年度工学院大学大学院・機械工学専攻

材料力学特論(Advanced Theory of Strength of Materials)[2301]


2単位
小久保 邦雄 非常勤講師  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2014/10/01

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
材料力学では一次元の棒、はり、軸の問題を中心に学んだが、実際の機械設計では、さらに進んで、骨組み構造、二次元弾性論、応力集中、板やかくなどの構造の知識が必要になってくる。さらに実際の機械設計では、材料力学の非線形現象の安定性問題や材料非線形問題の基礎についても知っておく必要がある。これらを学んだあと、信頼性の高い、また軽量化された機械部品、構造設計の実用的な設計法に必要な事項をこれまでに生じた事故例も参考にしながら学習する。

<授業計画及び準備学習>
1.材料力学でなされていた仮定の復習
  高度な材料力学を学ぶためには、材料力学でなされていた仮定を復習する必要がある。
2.二次元微小変形弾性論の基礎式
  二次元における応力とひずみ、適合条件式、Airyの応力関数を用いた解法を学ぶ。
3 応力の特異点、応力集中
  Airyの応力関数を用いた応力集中や特異場応力の解析法を紹介する。
4 薄肉はり構造(1)
  薄肉はりには単純な曲げのみではなく、ねじりや曲げねじりなど、複雑な現象が生じるので、
  軽量構造の設計ではこれらの知識が必要である。
5 薄肉はり構造(2)
  薄肉はりのねじり問題や、せん断中心について考える。
6 板曲げ問題
  軽量構造の設計には板構造がよく利用される。これらの設計例を考える。
7 かくの問題
   軽量構造の設計には板ばかりでなく殻(かく)構造も重要であり、かくの設計例を考える。
8 材料力学の材料非線形問題(1)
  通常の構造設計は弾性範囲で行われるが、弾性範囲を超えると塑性変形が始まる。
  塑性変形の性質についてその簡単な性質を説明をする。
9 材料力学の幾何学的非線形問題ー安定性の理論(1)
  平衡状態が不安定になると、平衡状態の分岐現象が生じる。まず柱と板の場合について説明する。
10 材料力学の幾何学的非線形問題ー安定性の理論(2)
  平衡状態の分岐現象としての座屈は種々のかく構造にも生じ、かくの設計では
  座屈は板の場合と異なり、重大な破壊事故を起こすので注意が必要である。
11 かくの設計と圧力容器の規準
  かく構造は軽量構造を設計する上で重要な要素であり、ASMEや JISなどの規準と併せて考える。
12 破損事故例とよい構造設計の考え方(1)
  これまでに生じた各種の破損事故を取り上げ、よい構造設計を考えてゆく。
13 破損事故例とよい構造設計の考え方(2)
  これまでに生じた各種の破損事故を取り上げ、よい構造設計を考えてゆく。
14 破損事故例とよい構造設計の考え方(3)
  これまでに生じた各種の破損事故を取り上げ、よい構造設計を考えてゆく。
15 よい構造設計のまとめ

<成績評価方法及び水準>
講義のなかで4−5回課題を出すので、この課題のレポートを作成し、提出する。成績はこのレポートの採点結果で評価する。

<教科書>
プリントを毎回配布する。プリントの内容は「製品開発のための材料力学と強度設計ノウハウ」(鯉渕・小久保著、日刊工業新聞社、2002年)などを参考にする 。

<オフィスアワー>
メール(at21317@ns.kogakuin.ac.jp) を利用してもよい

<学生へのメッセージ>
製造業では、材料力学は必須の学問であるが、この授業では実際に役立つことに主眼を置いた材料力学を学んでゆく。

 

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