☆タイヤ力学特論（Advanced Tire Mechanics）[2603]

＜授業のねらい及び具体的な到達目標＞

タイヤ力学の初歩から最新事例まで、タイヤ設計で用いられる力学を学び、現場で行われている設計に関する基礎理論を理解する。講義は３年間で完結するように構成され、企業からも出席できるように夜に開催する授業とする。
以下に具体的な達成目標を示す。
１）タイヤで用いられる繊維補強タイプの複合材料力学の基礎を理解している。
２）タイヤの複数の性能に関する基礎理論を理解している。

（JABEE学習・教育到達目標）
「システムデザインプログラム」
（A）工学関連分野の原理・原則に関する深い知識と応用力を身につけた人材を育成します：◎

JABEE基準1の（2）の内容
（c），（d）：◎
（b），（e），（g）：○

(前提となる基礎知識と修得後の展開)
授業を理解するためには、材料力学を習得していることが望ましい。

＜授業計画及び準備学習＞

【初年度】
第１回講義（9/17）
第１章一方向繊維強化ゴム(Unidirectional Fiber Reinforced Rubber: UDFRR)
１．１．タイヤに使われる複合材料
１．２．一方向繊維強化ゴム(Unidirectional Fiber Reinforced Rubber: UDFRR) の力学

第２回講義（9/24）
１．３．マイクロメカニックス(micromechanics)

第３回講義（10/1）
１．４．UDFRR(Uni-Directionally Fiber Reinforced Rubber)の力学
１．５．バイアス(bias)積層板の粘弾性特性

第４回講義（10/8）
第２章　積層材
２．１．一般積層板の理論
２．２．各種積層板の定式化
２．３．対称積層板

第５回講義（10/15）
２．４．バイアス(bias)積層板

第６回講義（10/22）
２．５．積層構造板の応力解析
２．６．三層積層板のFRR近似式

第７回講義（10/29）
２．７．optimization of tire composite by Genetic Algorithm (GA)

第８回講義（11/5）
第３章　層間せん断を考慮した積層理論
３．１．層間せん断について
３．２．対称４層バイアス積層板
３．３．対称４層直交積層板
３．４．層間せん断を考慮した２層積層板の修正積層理論

第９回講義（11/12）
３．５．３層積層板
３．６．斜交積層板の面内曲げ特性
３．７．斜交積層板のねじり特性
３．８．錯円筒殻の層間せん断応力

第１０回講義（11/19）
３．９．斜交積層板の面内曲げ座屈
３．１０．斜交積層板の圧縮座屈
３．１１．接着強度

第１１回講義（11/26）
第４章　Discrete 積層板の理論
４．１．Discrete 積層板の引張り特性

第１２回講義（12/3）
４．２．Discrete 積層板の曲げ特性

第１３回講義（12/10）
第５章　タイヤ断面形状理論
５．１．タイヤ断面形状理論の歴史
５．２．ネッティング（網目）理論によるタイヤ断面形状理論
５．３．タイヤの特性

第１４回講義（12/17）
５．４．ベルト付きラジアルタイヤの形状理論
５．５．タイヤ断面形状についての一般式

第１５回講義（1/14）
５．６．遠心力時のタイヤ形状
５．７． Ultimate theory of tire sidewall shape by combining FEA with the optimization technique

＜成績評価方法及び水準＞

成績は出席と課題レポートの評価点で決定する.。
「システムデザインプログラム」の学習・教育目標(１)は、本科目およびこの目標に対応する卒業に必要な他の該当科目をすべて習得することにより達成される。

＜教科書＞

特に指定しない、プリント配布

＜オフィスアワー＞

火曜日：16:00以降（新宿　１７F　１７７７室）

＜学生へのメッセージ＞

私はタイヤ業界に33年間お世話になりました。タイヤ業界への恩返しとして執筆中の「Advanced Tire mechanics」を使った講義になります。未完成な部分も多く間違いも多いと思いますが、難しいけれど面白いタイヤ力学を一緒に学んでいきたいと思います。
The past is never fully gone. It is observed into the present and the future. It stays to shape what we are and what we do. Sir. William Deane, 1996

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