2013年度工学院大学大学院・情報学専攻

音響信号表現特論(Signal Representation for Acoustic Events Modeling)[4307]


2単位
中島 弘史 准教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2014/02/13

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
音響学の基礎を踏まえた上で、音響処理を理解し実践することを目標とする。具体的には、音圧レベル、周波数スペクトルなどの音響用語の理解、離散フーリエ変換、畳み込みなどの信号処理概念の理解、音響処理のプログラムを自ら考えて構築できる技術の習得を目的とする。

<授業計画及び準備学習>
1.音の基礎(1) 音と音波、音の伝播
2.音の基礎(2) 音圧レベル、周波数スペクトル
3.音を聞く仕組み
4.音の収録と再生
5.音楽と音響
6.暮らしの中の音
7.達成度評価(中間試験)
8.音響信号の表現(1) 時間領域表現、AD変換とサンプリング定理
9.音響信号の表現(2) 周波数領域表現、フーリエ変換、一般化調和解析、逐次ベクトル射影法
10.音響信号の表現(3) 時間周波数領域表現、短時間フーリエ変換、スペクトログラム
11.音響信号の表現(4) 解析的信号表現、ヒルベルト変換、瞬時周波数、包絡線
12.伝達特性の表現(1) インパルス応答、畳み込み、伝達関数
13.伝達特性の表現(2) Z変換、極零モデル、全零モデル、線形予測、極の推定
14.達成度評価(最終試験)
15.音響処理のプログラム演習

<成績評価方法及び水準>
授業中および授業後に出す課題のレポートと中間および最終試験の得点によって評価する。総合評点が60点に僅かに達しない場合には、授業中の課題の提出状況等を鑑みて、追加のレポート課題等を与え、提出されたレポート内容が単位認定相当と判断される場合には最終成績を60点とする。

<教科書>
鈴木陽一、赤木正人、伊藤彰則、佐藤洋、苣木禎史、中村健太郎
「音響学入門」日本音響学会編、コロナ社、2011

<参考書>
東山三樹夫「信号解析と音響学」シュプリンガージャパン、2007
岩宮眞一郎「よくわかる最新音響の基本と応用」秀和システム、2011

<オフィスアワー>
質問等は授業中および授業終了後に対応します。他の時間を希望する場合は、メールにてご連絡ください。(nakajima@cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
音は皆さんにとっても、携帯音楽プレーヤーや音楽ゲームなどによって身近な存在だと思います。音の信号処理技術は、さまざまな所で利用されています。たとえば、PRGで洞窟の中に入った時に、足音などが響いて聞こえる効果は、「畳み込み」で計算されています。授業をまじめに受講し、課題や演習に取り組めば、内容とその面白さがわかると思います。前半の授業は教科書を元に進めますので、教科書の購入を強く推奨します。教科書は、音響学の入門書で、さまざまな分野の入門部分をコンパクトにまとめた良い本です。

 

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