2013年度工学院大学大学院・情報学専攻

応用統計学特論(Applied Statistics)[0011]


2単位
村山 立人 非常勤講師

最終更新日 : 2014/02/13

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
本年度の授業では、統計学の基礎と多変量解析の方法を身につけることを目指します。授業の前半では、統計学が何をすることを目的にしていて、それがどうやって実現できるのかについて解説します。最初に記述統計、つまりデータの特徴を抽出して簡潔に表現するための方法として、度数分布表やヒストグラムなどによるグラフ化と、平均値や標準偏差などの数値による要約方法を学習します。その後、正規分布を使ってデータからその母集団の概要を予想する推測統計の方法として、仮説検定と区間推定の理解を目指します。授業の後半では、まず前半の内容を精密化していく方向で、統計学では標準的な手法であるカイ二乗分布やt分布による仮説検定と区間推定を説明します。さらに、多変量解析と呼ばれるデータ解析の標準的な手法を概観し、特に重要な相関係数や回帰分析の方法を解説します。最後に、情報科学で最近注目を浴びているベイズの定理に基礎を置く統計学の方法について紹介します。

<授業計画及び準備学習>
1. 統計学とは何か
2. データの縮約と記述統計
3. 標準偏差とその応用
4. 正規分布と推測統計
5. 仮説検定の方法
6. 区間推定の方法
7. 母平均と母分散
8. 標本平均と大数の法則
9. 標本分散とカイ二乗分布
10. t分布による仮説検定と区間推定
11. 多変量解析の方法
12. 順位相関と相関係数
13. 単回帰分析の方法
14. 重回帰分析の方法
15. ベイズの定理と統計学

<成績評価方法及び水準>
授業内容の理解度を確認するための演習問題を配布し、レポートとして提出していただきます。成績は授業の出席率とレポートの提出率および点数で評価します。特別な理由がない限り、最低でも10回は授業に出席して配布されたレポートを提出してください。

<教科書>
授業内容の要点をまとめたプリントを配布します。

<参考書>
東京大学教養学部統計学教室 編 『統計学入門』 東京大学出版会

<オフィスアワー>
質問は授業中あるいは授業の終了後にお願いします。

<学生へのメッセージ>
情報学を専攻していても、あまりに煩雑な数学の記号や公式は苦手だという人もいると思います。しかし、統計学の本質は抽象的な数学記号にあるわけではありません。むしろ、具体的な演習問題でその標準的な手法・方法論を当てはめることによって、しっかり統計学の基本的な考え方は身につくと思います。統計学は簡単ではありませんが、決して難解ではありません。金融取引や保険契約などで目にする身近な応用例をイメージしつつ、その考え方を効率的に体感していきましょう。

 

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