2013年度工学院大学大学院・建築学専攻

医療施設計画特論(Theory of Health Care Facilities)[4702]


2単位
長澤  泰 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2014/02/13

<授業のねらい及び具体的な到達目標>
 まず、医療サービスの背景として重要な医療制度について日本と諸外国との比較を行い,病院および診療所を中心とした医療を行うための医療施設が,社会の中にどのように位置づけられているか,また,そのことによって如何なる特徴がそれぞれの施設に求められ,結果として医療施設の形態に影響を与えているかを考察します。それから医療施設計画の基本と歴史的経緯を解説します。それらの講義と並行して内外の関連論文に接して現代の問題点や解決方法の模索の状況を理解します。

<授業計画及び準備学習>

基本的・概念的な事柄から解説しはじめて,次第に医療施設の専門的な事柄について講義します。
1. 海外での医療施設計画概論
2. 医療制度の比較検討
3. 世界保健機構(WHO)
4. 地域保健医療計画
5. 医療サービスの需要量・利用圏・施設規模
6. 医療施設計画の基本
7. 病院の建築計画:全体計画
8. 病院の建築計画:病棟部門
8. 病院の建築計画:外来部門
9. 病院の建築計画:診療部門
10.病院の建築計画:供給・管理療部門
11.病院建築の変遷
12.英国医療施設計画の歴史と動向
13.機能主義医療施設と癒しの環境計画の基本
14.今後の医療施設計画
15.期末試験(学習目標を達成しているかをレポートで評価します)

講義と並行して、HERD: Health Environments Research & Design Journal を英文論文副読本として輪講を行います。

<成績評価方法及び水準>
講義の中で英文論文の輪読をして、その状況を20%で評価、課題レポート(あるいは期末テスト)の結果を80%で評価した後に総合して最終評価を行ないます。

<教科書>
特に選定せず その時々で資料を提供します。
・HERD: Health Environments Research & Design Journal を英文論文副読本にします。

<参考書>
・ 「建築計画」(市ヶ谷出版)
・ 「地域施設計画」日本建築学会編(丸善)
・ 「保健医療計画ハンドブック」(厚生統計協会)
・ 「バリアフリーの生活環境論」(医歯学薬出版)
・ 「建築設計資料集成[総合編]」(丸善)
・ 「建築設計資料集成[拡張編]医療・福祉」(丸善)
・ 「新建築学大系地域施設計画」(彰国社)
・ 「新建築学大系31病院の設計」:日本建築学会編
・ 「スペース・デザイン・シリーズ4 医療・福祉」(新日本法規出版)
・ 「DA建築図集」日本建築家協会編 (彰国社)
・ 「HERD」 Health Environments Research & Design Journal

<オフィスアワー>
講義前後に質問に応じます。

<学生へのメッセージ>
建築計画という学問は、勘と経験に基づいて行われていたかつての建築設計を、建物を使う人々の立場から見直し、使いやすく快適な建物内外の環境を実現するために科学的根拠に基づいた設計の基礎的なデータや考え方を追求するために開発・発展してきたものです。このように建築計画学は建築を利用者の視点から、「使いやすさ」と「使い心地のよさ」を探求する学問です。医療施設の場合この考え方は特に必須で,実際の設計。計画の基礎として多くの重要な考え方を含んでいますので、しっかりとその考え方を身につけてください。

 

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