2012年度工学院大学大学院・システムデザイン専攻

固体物性構造特論(Advanced Material Science of Solids)[6202]


2単位
矢ケ崎 隆義 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2012/11/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
固体材料を安全性と信頼性のある材料として環境やエネルギー関連システム等に適用することを念頭に、材料の物性を原子・電子論レベルからとらえ、マクロな面とミクロな面とを結びつけて解説する。また、物質の内部構造の問題を、原子配列およびその欠陥から捕らえることを試みる。さらに、固体熱力学の法則によって平衡状態での内部組織の制御と変化を把握、反応速度論により一定時間内および環境中において形成されるより実際的な組織の性質を考える。

<授業計画及び準備学習>
第1週 『授業ガイダンス』材料の微細構造と環境因子との関わり等について学ぶ。   演習問題1.
第2週 完全固体の構造と物性について学ぶ。                    演習問題2.
第3週 不完全固体の構造と物性(点欠陥、線欠陥)について学ぶ。          演習問題3.
第4週 不完全固体の構造と物性(界面欠陥、バルク欠陥)について学ぶ。       演習問題4.
第5週 拡散挙動(定常状態、非定常状態拡散)について学ぶ。            演習問題5.
第6週 拡散挙動(拡散に及ぼす因子、他の拡散経路)について学ぶ。         演習問題6.
第7週 平衡(1成分、多成分系の相平衡)について学ぶ。               演習問題7.
第8週 平衡(不変反応、平衡状態、非平衡状態)について学ぶ。           演習問題8.
第9週 反応速度(反応速度論、固体内拡散)について学ぶ。             演習問題9.
第10週 反応速度(相変態)について学ぶ。                     演習問題10.
第11週 材料の環境劣化挙動について学ぶ。                     演習問題11.
第12週 材料、環境因子、応力との係わり(材料寿命)について学ぶ。         演習問題12.
第13週 材料の環境、社会問題との関わりについて学ぶ。               演習問題13.
第14週 環境・エネルギー関連システムへの固体材料の適用評価            演習問題14.
第15週 学習成果の確認(試験)
(尚、随時必要に応じて、文献の読み合わせ及びプレゼンテーションを授業内に取り込む。) 

<成績評価方法及び水準>
定期試験、各週に実施するプレゼンテーション及び演習問題(理解度テスト)を主たる評価の対象として評価する。尚、評価割合はそれぞれ70%、10%、20%とし、60点以上の者に単位を認める。僅かに60点を下回る者については レポートの提出を認め、不足分を補うと判断した場合には最終得点を60点として単位を認める。

<教科書>
特に指定しない。必要に応じて、プリントを配布する。

<参考書>
『材料の科学と工学〔1〕材料の微細構造』W.D.キャリスター著(培風館)
『材料の科学と工学〔4〕材料の構造・製法・設計』W.D.キャリスター著(培風館)
『環境リサイクル 法令・JIS要覧』矢ケ崎隆義、田村久義 著(新日本法規出版)

<オフィスアワー>
火、土曜日10:40〜18:00で授業のない時間であれば、八王子キャンパス・総合工学研究棟・12−114室にて質疑等可能。それ以外でもメールにて約束の上、対応する事も可能。事前にE-Mail:yagasaki@cc.kogakuin.ac.jpにて連絡されたい。

<学生へのメッセージ>
授業では、環境やエネルギー関連システムなどの化学装置等に材料を適用する立場から、種々の固体材料(金属、有機物質、セラミックス、複合材料など)の差を協調するのではなく、材料の性質の一般的な輪郭とそれらの性質を左右する機構について解説することを心がけます。また、授業の終わりに、翌週の授業に向けた予習項目を予告します。授業を通して、材料科学の有用性と奥深さとを実感してください。

 

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