2012年度工学院大学大学院・システムデザイン専攻

ファシリテーション特論(Advanced Facilitation)[0006]


2単位
大石 加奈子 非常勤講師

最終更新日 : 2012/11/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
近年、組織を巡る環境が急速に変化し、複雑化、高度化、価値観の多様化、ボーダレス化が進んでいる。この環境のなかで上位少数の人間が、下部組織に指示命令していくトップダウン型の組織統率は難しい。これからの組織に必要なのは、時代の変化に合わせ、あらゆる社員の知恵を集めて創造的な話し合いを行うこと、関係する人々と双方向で協力して問題解決すること、チームの力の総和で成果を出していくことである。その際に活用できるコミュニケーションスキルとして「ファシリテーション」がある。一般的なファシリテーションの手法に加え、エンジニアの仕事に成果を出せる科学理論に基づいた手法がある。それが「エンジニアリング・ファシリテーション」である。その特長はつぎの3点。
1主体性や創造性を引き出せる心のメンテナンスを行う
2技術の問題の根本的解決に役立つ問題解決技法を用いる
3望ましい行動がおのずと継続するフィードバックを行う
本講座では、エンジニアリング・ファシリテーションのトレーニングを中心に行うことにより、エンジニアのプロジェクト推進に活用できるコミュニケーション能力向上を目指す。

<授業計画及び準備学習>
1日目
1回 メンバーの主体性を引き出す組織風土をつくる 講義と演習
2回 エンジニアリング・ファシリテーションとは 講義
3回 ミーティング・スキル合意形成  講義
4回 4つの技法を用いた合意形成トレーニング 演習
2日目
5回 メンバーが自走する―ヴィジョン構築と共有 演習
6回 エンジニアリング・ファシリテーション会議成功の条件 講義
7回 ミーティング・スキル問題解決  講義
8回 ロジックツリー・特性要因図法を用いた問題解決型ファシリテーション 演習
3日目
9回 望ましい行動を継続させるフィードバック 講義と演習
10回 ファシリテーションがチームの主体性・創造性を育成する原理 講義
11回 ミーティング・スキル発明的問題解決 講義
12回 発明原理を用いた新製品開発ファシリテーション 演習
4日目
13回 ミーティング・スキル戦略の立案 講義
14回 SWOT分析&SWOTクロス分析を用いた戦略立案
15回 全体の振り返り 学んだことを自己のプロジェクト推進につなげるために

<成績評価方法及び水準>
評価方法
ファシリテーション演習50%
演習後に提出するレポート50%

<教科書>
大石加奈子「エンジニアリング・ファシリテーション」2011・10森北出版

<参考書>
伊藤守「人と組織のハイパフォーマンスをつくるコーチングマネジメント」ディスカバー2007.8

<オフィスアワー>
講義のある日の昼休みおよび放課後18時まで

<学生へのメッセージ>
授業に参加するまでに、教科書「エンジニアリング・ファシリテーション」に目を通しておいてください。参加の際は、教室内で自由に活動できるように、動きやすい服装の方がよいでしょう。いっしょに楽しく取り組みましょう。

 

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