2012年度工学院大学大学院・建築学専攻

建築保存修復実務特論(Professional Practice for Historic Preservation)[2701]


2単位
後藤  治 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]
川本 泉 非常勤講師

最終更新日 : 2012/11/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
現在の建設界をとりまく環境は、地球環境保全へ移行した方向性や、公共工事の減少と少子高齢化等を背景に新築が減り、建物の維持保全がより重要な位置づけにある時代となっている。
したがって、「いい物を作り きちんと手入れして 長く大切につかう」ことを念頭に置いた社会的、地球環境的な活動が求められている。
次世代を支える建築学生は、時代背景の理解と建設界の課題共有のもと、当授業から技術的知識を学び、テーマの発掘等、各課題解決にむけた考え方を学ぶことを目的とする。

<授業計画及び準備学習>
第1週 :イントロダクション
第2〜7週 :木造他
保存修復の実務の概要
劣化診断と調査、虫菌類による被害、非破壊調査
木造とそれ以外の構造による違い
復原修理、利活用のための整備
構造補強、防火対策
修理工事報告書レポート
第8〜15週 :RC造
コンクリートの歴史----古代のコンクリート、現在のコンクリート、関係法規とJASS-5および、それらの変遷、調合の変遷、
鉄筋コンクリートの劣化とそのメカニズム
劣化の事例:施工時および初期の潜在劣化、経年劣化、地域特性、環境の影響
調査診断:建物点検、劣化の原因推定、劣化の将来予測、修繕計画立案、対策
対策:事後保全と予防保全
調査方法:非破壊検査、微破壊検査
建物と人:劣化と老化の類似点、固体 (個人)差が大きい、経過観察(健康診断)が重要
建築と土木:環境や要求される性能の違い、劣化事例と修復事例、それぞれの課題
保全(維持・補修・改修・補強・保存)
全国のマンションストック数------国土交通省より
建設投資の推移、維持修繕工事の推移-----日建連 建設業ハンドブックより
マンションの特殊性(固有の課題)、区分所有法、マンション管理適正化法、住宅品確法(住宅性能保証制度)、住生活基本法、長期優良住宅普及促進法----等
小グループによる劣化事象収集レポート提出(劣化の原因予測と考察)→レポートの発表と討論
物件視察(築古マンションの改修工事での研修)

<成績評価方法及び水準>
各人の発表及びそれに基づくレポートによって評価する。

<教科書>
特に定めない

<参考書>
コンクリートの診断技術(JCI)、コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針(JCI)、その他授業中に示す

<オフィスアワー>
授業の前後

 

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