2011年度工学院大学大学院・建築学専攻

既存建物の耐震診断・耐震補強設計法(Retrofitting Design of Reinforced Concrete Structures)[4606]


2単位
近藤 龍哉 准教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2012/11/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断・耐震補強法を学ぶ。一般の構造設計と耐震診断法は、手法に大きな差異は無いが、設計・診断の目的に大きな差異が有るため解析結果の表示が大きく異なる。一般の構造設計は「全ての階」で要求性能を満足していることを確認する。ただし、満足の度合いは確認しない。性能が十分であることは確認するが過剰の度合いは確認しない。一方、耐震診断は建物各階の耐震性能を評価する。各階の必要性能に対する過不足を評価する。これは、不足階に対する補強量を決定することが耐震診断の主目的の一つだからである。よって、耐震診断は性能評価設計法と言えよう。
 建物の差別化が構造設計にも求められている。建物の耐震性能評価に関わるものとして耐震診断法の考察を試みる。
 既存建物補強は「力学知識の引き出し」をフル活用する仕事である。建物の構造的特徴を把握する。補強工法の特色を熟知する。これを組み合わせて、最小を付加して最大の効果の確保を計画することが補強設計である。「力学知識の引き出し」を増やすことと、その中身を濃くすることについて学ぶ。

<授業計画及び準備学習>
1 耐震診断法の流れ(一般の設計法と比較して)
2 靭性指標値(F値)について(一般の設計におけるDs値とも比較して)
3 終局強度と強度指標(柱・壁・袖壁付き柱)
4 第2種構造要素について(残存軸耐力と軸力支持力)
5 建物のバランス
6 補強設計概説
7 あと施工アンカーの強度設計法
8 補強工法例研究1
9 補強工法例研究2
10 学校校舎の耐震診断・改修事例研究
11 集合住宅の耐震診断・改修事例研究
12 輪講1
13 輪講2
14 輪講3
15 学習達成度調査

<成績評価方法及び水準>
輪講の内容とレポートで評価する。

<教科書>
特になし。

<参考書>
鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準、鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針、各種合成構造設計指針

<オフィスアワー>
特に設定しない。

<学生へのメッセージ>
「技術の引き出し」の増設と中身の充実

 

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