2011年度工学院大学大学院・建築学専攻
☆建築振動学特論(Advanced Theory of Structural Dynamics)[4603]
2単位 久田 嘉章 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 構造設計では地震や風、交通振動などの動的荷重を受ける建物の安全性の確保と機能の維持への検討が必要になる。本授業では建物の動的設計法や設計用入力地震動の策定法の基礎を理解することを目的とする。そのための基礎理論である振動論、マトリックス構造解析法(トラス構造、ラーメン構造)、弾塑性解析法、工学地震学の基礎を学ぶ。特に高度な解析法として壁や床、原子力建屋などの構造解析に重要な連続体の力学、有限要素法、運動方程式の直接積分法、超高層建築や免震建物、原子力建屋などの動的設計法の実務などを学ぶ。一方、近年では活断層やそれに起因する震源近傍の強震動や、関東平野や大阪盆地などの大都市で観測される長周期地震動など、工学地震学の基礎を理解することが構造設計者には求められている。そこで活断層や地域の地盤特性などを考慮した最新の地震動作成法も解説する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.概説(構造設計と動的設計法、マトリックス代数の基礎、設計用入力地震動など)
2.建物の質点系モデルによる振動論とマトリックス代数による解法 3.剛性マトリックス(マトリックス構造解析法によるばね系の解法) 4.弾性体の支配方程式(応力・ひずみ、つり合い方程式、仮想仕事の原理など) 5.マトリックス構造解析法(トラス・ラーメン構造の解法) 6.有限要素法(2次元連続体の解法) 7.質点系の振動解析(質量・減衰・復元力マトリックス、固有値問題) 8.運動方程式の直接積分法(陽解法と陰解法、弾塑性応答解析) 9.建物の動的設計法(超高層建築・免震建物・原子力建屋などの設計法) 10.地震動の性質(地震の大きさと強さ、地震危険度、強震波形、模擬地震動) 11.震源モデル(活断層、震源近傍の強震動) 12.地震動(実体波・表面波、長周期地震動、エッジ波、丘地形効果) 13.強震動予測と入力地震動(経験的手法、理論的手法、耐震設計への適用) 14.地震ハザードとリスク、津波被害など 15.単位習得状況調査
- <成績評価方法及び水準>
- 採点は課題提出による。
- <教科書>
- 建築の振動 初歩から学ぶ建物の揺れ (シリーズ「建築工学」) 、西川孝夫ほか、朝倉出版
建築の振動 応用編 (シリーズ「建築工学」) 、西川孝夫ほか、朝倉出版 この他、資料を適宜配布する
- <参考書>
- 新耐震構造解析、柴田明徳 著、森北出版
- <オフィスアワー>
- ほぼ毎日研究室にいる。学習ガイダンスも参照されたい。
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