2011年度工学院大学大学院・化学応用学専攻

結晶化学特論(Crystal Chemistry for Materials Science)[5402]


2単位
佐藤 光史 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2012/11/09

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
X線分光学の基礎を重要視し、単結晶構造解析と、薄膜多結晶体の構造決定を中心的な題材に据え、結晶化学の研究に活用できることをねらいとする。固体物質を合成する過程における反応と、合成された物質の構造、組成、形態を化学的側面から解説し、新素材・新材料の多種多様な物性・機能を理解するための基礎を修得する。
<達成目標>
結晶化学の基礎を理解し、主にX線の回折現象による結晶の構造解析が、どのような原理に基づいて、実際にどのように行われ、どのような情報が得られるかを理解する。各自の研究課題について、結晶化学との関わりの視点からプレゼンテーションできること。

<授業計画及び準備学習>
1. 天然の結晶と結晶の合成、結晶とアモルファス、単結晶と多結晶
2. 化学結合と結晶の成り立ち、典型的な結晶構造と特徴
3. X線分光学 (1)光学の基礎、物質と光の相互作用
4.         (2)X線の発生、分光、検出、測定光学系
5.         (3)原子の構造とX線スペクトル、周期表とモーズリーの法則
6. 分子と結晶の対称性(1)対象要素と点群、空間格子と単位格子
7.          (2)結晶系とブラベー格子
8.          (3)空間群と表記法、逆格子
9. 結晶と回折  (1)結晶によるX線の回折、ブラッグの法則とミラー指数
10.         (2)原子散乱因子、結晶構造因子、回折強度
11.         (3)単結晶による回折と結晶構造
12.         (4)多結晶による回折と結晶の分析
13. 実験方法と解析例:CIFとJCPDSカード掲載の結晶情報の読み方
14. 結晶成長と材料研究
15.学習成果の評価(試験)
<準備学習>
各課題を予習と復習に活用する。内容理解に必要なため、三角関数とベクトルについて十分に復習すること。

<成績評価方法及び水準>
原則として、定期試験の点数が60点以上を合格とする。ただし,授業中提出課題(3回)とプレゼンテーションの評価を含めて100点に規格化し、60点以上を合格とする。

<教科書>
プリント(電子教材)を用意する。

<参考書>
加藤誠軌「X線回折分析」内田老鶴圃
キッテル「固体物理学入門」丸善
桜井敏雄「X線結晶構造解析の手引き」裳華房

<オフィスアワー>
電子メール(ft10302@ns.kogakuin.ac.jp)で予約のこと。

<学生へのメッセージ>
学会等での欠席はやむを得ないが、講義資料などについて、受講生間での積極的な情報交換、議論を期待する。

 

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