錯体化学特論（Advanced Coordination Chemistry）[3105]

＜授業のねらい及び具体的な達成目標＞

錯体化学・有機金属化学は、無機化学と有機化学の結合した分野であり、有機化学・無機化学・物理化学・生化学にまたがる無限に近い研究対象を有する。
１：遷移金属錯体の構造と性質
２：有機典型金属化合物と有機合成
３：有機遷移金属化合物の合成・構造・応用
４：生体関連金属錯体
以上の事柄を、自らの研究に適用・発展できる程度まで理解する。

＜授業計画及び準備学習＞

第１週：錯体化学とは　無機金属錯体 有機金属錯体　生物無機金属錯体
第２週：配位立体化学　配位数と立体配置　異性体
第３週：配位化含物の命名法
第４週：配位結合の理論　電子対反発則
第５週：配位結合の理論　分子軌道と錯体
第６週：錯体の磁性 可視吸収スペクトル
第７週：錯体の反応　置換反応と脱離反応　
第８週：酸・塩基の“かたさ”．“やわらかさ”
第９週：典型元素の有機金属錯体　
第１０週：遷移元素の有機金属錯体
第１１週：有機金属錯体の基本反応
第１２週：有機金属錯体と有機合成
第１３週：生体系における金属錯体
第１４週：生体分子と金属錯体
第１５週：定期試験

＜成績評価方法及び水準＞

授業中に課した課題の成績と定期試験の成績で評価する。

＜教科書＞

「錯体化学の基礎」渡部正利、矢野重信、碇屋隆雄　共著　講談社サイエンティフィク

＜参考書＞

「基礎有機金属化学」中村　晃　編著　朝倉書店

＜オフィスアワー＞

特に指定しない。担当教員の在室中(4-105)や授業の前後に対応する。

＜学生へのメッセージ＞

錯体化学・有機金属化学を学ぶと、周期表に登場する元素を「無機の元素」や「有機の元素」と区分けすることにほとんど意味のないことが実感できるはずです。周期表を組み立てている原則は「軌道」と「電子」ですが、有機金属化学はｄ軌道やｆ軌道まで含めた「軌道」と「電子」の振る舞いを理解するための実践的な学問といえます。

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