2010年度工学院大学大学院・情報学専攻

音響信号表現特論(Signal Representation for Acoustic Events Modeling)[4303]


2単位
東山三樹夫 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
音響学の歴史的経緯を含めて音響情報を伝達する音波・音響現象の物理的理解を得る。
音響学を通して物理現象の数学的な記述とその方法論を体験する。
音の発生・伝達・知覚に関わる音響信号の分析・表現によって人間の情報処理機構を考える機会とする。
さらに進んだ学習と研究に必要な音に関わる専門書も自習できるように受講者には予習・復習・自習となる多くのレポート課題の提出が課せられる。

<授業計画及び準備学習>
1. 波動音源の表現
2. 音源の音響出力
3. 波の伝搬を表す方程式
4. 平面波の伝播を表す解とその特徴
5. 音響管内を伝わる波
6. 室内を伝わる音の方程式
7. 波の不規則な重なりと残響音場
8. 音場伝達関数とその表現
9. 室内における音源の音響出力特性
10.音源・受音点距離と直射音場領域
11.音響信号の正弦波モデル表現
12.時間・周波数分析の対象性
13.音源信号の分離と混合
14.伝達関数の推定と制御
15.学習成果の確認(レポート課題作成)

<成績評価方法及び水準>
講義の予習と復習を目的とする毎時間に課せられるレポート課題に関する評価 50 %
講義期間中に受講者が各自で学習した内容をまとめる最終レポート課題に関する評価 50 %
レポートを評価するにあたってはレポート作成に対する態度も合わせて評価する。
授業内容からさらに発展した考察と検証があれば合格以上の上位判定を行う。

<教科書>
東山三樹夫 信号解析と音響学 シュプリンガージャパン 2007

<参考書>
東山三樹夫 音の物理  コロナ社 2010

<オフィスアワー>
木曜日 10:00-10:30、 14:30-15:00

<学生へのメッセージ>
講義の内容は基礎から最近の研究課題まで幅広い範囲に渡っています。従って知識を体系的にまとめることではなく、受講者が各自で「考える切っ掛け、動機付けを得る機会を創出すること」を講義の目標としています。音と人間の関わりに関する音響学の歴史を振り返ることによって、これからの科学と人間のあり方に思いをよせることも本講義の目指すところの一つです。
音・音楽・物理・心理と数学の基礎に興味のある学生諸君にはおもしろい講義であるかと思われます。
レポート課題に真摯に取り組めば講義の内容とその面白さがよく理解できるのではないでしょうか?
学部における学習内容を補う講義ではありません。
専門知識を得るためのものでもありません。
自分で学習・研究する動機を確認する機会の一つとして本科目を役立てて頂ければ、これ以上の喜びはありません。

 

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