2010年度工学院大学大学院・建築学専攻

伝統木構造特論[4704]


2単位
河合 直人 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
伝統木構造は我が国の長い歴史の中で培われてきたものであるが、耐震工学的にみると、木質構造の中でも極めて扱いにくい構造物であると言える。しかし、文化財建造物の保存や伝統技術の継承の必要性を考えると、工学的解明が不可欠であり、近年、そうした研究が急速に進んできている。本講義では、伝統木構造の地震時挙動やその構造要素の働きを、実験データ等に基づいて説明し、併せて伝統木構造の耐震設計の考え方をできるだけ平易に解説する。伝統木構造の有する耐震性能上の特徴、耐震設計の難しさ及びそれに対処する方法を理解するのが目標である。

<授業計画及び準備学習>
9月9日 休講
9月16日 講義内容紹介、伝統木構造の耐震性(概論)
9月23日 休日
9月30日 伝統木構造のこれまでの地震被害
10月7日 民家の加力実験・振動測定
10月14日 社寺建築の振動測定
10月21日 休講
10月28日 継手仕口の構造性能
11月4日 伝統木構造の耐震要素
11月11日 伝統木構造の構造モデル化
11月18日 伝統木構造の静的加力実験の例
11月25日 伝統木構造の振動実験の例
12月2日 柱脚の滑りについて
12月9日 五重塔の耐震性
12月16日 伝統木構造の耐震設計
12月23日  休日

<成績評価方法及び水準>
採点は課題提出による。 伝統木構造の耐震性について自分の言葉で工学的に正しく語れること。

<教科書>
なし。資料を適宜配布する。

<参考書>
「地震と木造住宅」杉山英男著 丸善株式会社 1996年 3,150円
「木造建築を見直す」坂本功著 岩波新書 2000年 777円
「五重塔のはなし」 「五重塔のはなし」編集委員会、坂本功、濱島正士 2010年 1,995円

<オフィスアワー>
講義時間前後、教室にて。

 

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