2010年度工学院大学大学院・建築学専攻

建築基礎工学特論(Soil Mechanics and Foundation Engineering for Buildings)[4405]


2単位
藤井 衛 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 建築で用いられる基礎としては、直接基礎と杭基礎がある。また、基礎下に地盤補強を行うこともある。本授業の目標は、これらの基礎及び基礎構造や地盤補強の設計方法と地盤調査結果を解釈できる知識を修得することにある。基礎構造は地盤内に設置する構造体であるため、コンクリートや鉄筋などの建築材料の知識の他に土質工学に関する知識も必要になる。本授業では、基礎の支持力や沈下に関する土質工学的問題を講義することはもちろんであるが、特に上部構造の安全性を確保するための建築の基礎に関する諸基準の解釈及び構造図面の見かたとその意味、ならびに地盤調査結果の解釈の仕方を講義する。以上のように、実務の設計において十分に対応できる知識の修得を目指す。

<授業計画及び準備学習>
1.概説(9月10日:基礎設計の全体的流れと授業の方針)
2.土の物理的性質(9月17日:土の密度、液・塑性限界、粒度の説明)
3.土の力学的性質(9月24日:土のせん断強さの意味と算定方法)
4.土質実験と地盤調査(10月1日:一軸三軸試験と標準貫入試験)
5.直接基礎の支持力(10月8日:地盤の破壊理論と支持力評価)
6.沈下量の算定(10月15日:地盤の変形理論と沈下量の評価)
7.杭基礎の鉛直支持力(10月29日:杭の破壊理論と杭の種類)
8.杭基礎の水平支持力(11月5日:杭の水平力に対する応力評価)
9.不同沈下対策(11月12日:不同沈下の種類と障害の程度)
10.地盤補強工法の設計(11月19日:地盤改良の設計方法と品質評価)
11.液状化現象と対策(11月26日:液状化のメカニズムと判定方法及び対策)
12.大地震に対する基礎設計の考え方(12月3日:大地震時の設計方法と地震被害)
13.基礎・地盤補強の施工と品質管理(12月10日:地盤改良の施工時の注意点)
14.基礎・地盤に関するトラブルと対策(12月17日:基礎・地盤に関する裁判事例)
15.基礎設計に係る諸基準(1月9日:基礎設計に関する建築基準法ほか諸基準類の説明)

<成績評価方法及び水準>
出席とレポートによる

<教科書>
既製コンクリート杭の施工管理、(社)コンクリートパイル建設技術協会

<参考書>
建築基礎構造設計指針、(社)日本建築学会

 

このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2010 Kogakuin University. All Rights Reserved.