2010年度工学院大学大学院・建築学専攻

建築経済特論(Building Economics)[1607]


2単位
中城 康彦 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 「空間の価値」をキーワードとし、土地利用・建築計画と建築物の価値の関係について学ぶ。建築物は敷地に定着してはじめて人間の利用に供することができる。建築と不可分の関係にあるこれらの要素をも含めて、建築物の価値について考える。空間価値の査定式を導き、具体的な建築プロジェクトに応用して、建築物の経済的側面について価値評価を行う。

<授業計画及び準備学習>
1.土地と建物の法律的・経済的関係
2.建築の価値-コストアプローチ
3.空間の価値-インカムアプローチ(一般式および永久還元式)
4.時間の価値-インカムアプローチ(有期還元式)
5.建築計画と資産価値−共同ビルによる価値の創造−
6.土地利用制限の法と経済−空中権−
7.不動産投資と建築1−デューディリジェンス−
8.不動産投資と建築2−プロパティマネジメント−
9.建築再生−コンバージョンによるストック利用−
10.建築物の所有と利用1−借地借家の法と経済−
11. 建築物の所有と利用2−等価交換事業の権利変換計画−
12.建築物の所有と利用3−マンション建築の法と経済−

<成績評価方法及び水準>
 与えられた課題についてグループで検討し、発表を行う。課題に関する発表およびそれに関するレポートを評価する。課題では、授業で考察する空間価値査定式についてエクセル等の表計算ソフトを利用し、モデルケースについて試算して、土地利用と空間価値の関係をシミュレーションする。適切な結論を導くとともに、その意味を説明することが期待される。

<参考書>
「都市・建築・不動産 企画開発マニュアル」 エクスナレッジ
「サスティナブルコンバージョン−不動産法・制度からみた課題と20の提言」丸山英気他 プログレス
「コンバージョン(計画・設計)マニュアル」 エクスナレッジ

<学生へのメッセージ>
 建築学専攻の学生が、土地についても併せて勉強することは大変重要なことです。建築物は土地の上に建っているのですから、土地を毛嫌いすることなく、建築物と一体のものとして勉強し、理解することで、視野が広がります。

 

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