2010年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻
高電圧工学特論(High Voltage Engineering)[4305]
2単位 千葉 政邦 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 誘電体(絶縁体)に高電圧をかけると放電が発生するが,放電を有効に利用する技術と逆に抑制する技術がある。前者は放電応用機器であり,後者は高電圧機器である。本講義は次のような目標で行う。
1. まず,様々な条件での放電現象について理解する。 2.放電応用機器の実際と原理を理解する。 身近な日常生活や最先端工業に放電が多く利用されていることを学ぶ。 3.高電圧技術(発生と測定,機器の構造と特性)を理解する。 高電圧技術の集大成である超々高電圧送電について学ぶ。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.気体の放電(2)
空気,SF6,真空,高気圧気体などの気体誘電体中の放電現象と破壊理論を理解する。 2.液体の放電(1) 純粋液体,実用液体,極低温液体などの液体誘電体中の放電現象と破壊理論を理解する。 3.固体の放電(1) 無機質誘電体やプラスチック誘電体の放電現象と破壊理論を理解する。 4.複合誘電体の放電(2) 実用機器の絶縁は複合誘電体(異種の誘電体の組み合わせ)で構成されている。複合誘電体の特徴と沿面放電,汚損放電,トリーイングなどの問題点を理解する。 5.放電応用機器(2) 放電は光源,電荷源,半導体工業など多くの分野で利用されている。応用機器の実際と原理を理解する。 6.高電圧の発生と測定(3) 交流,直流,インパルス電圧の高電圧発生法を学び,高電圧,大電流測定において応答特性,雑音対策などを理解する。 7.高電圧機器と絶縁試験(3) 電力輸送の根幹機器ある変圧器,ケーブル,避雷器,遮断器などの電力機器の構造と特性を理解する。
( )は時間配分,ただし,3年生の「高電圧・プラズマ工学」を受講した人数により変更することがある。
- <成績評価方法及び水準>
- 中間試験(1回)とレポートで評価する。合格は両者とも60点以上であること。
- <教科書>
- 「新版 高電圧工学」 河野照哉著 朝倉書店
- <参考書>
- 「高電圧大電流工学」 宅間董,柳父悟著 電気学会
- <学生へのメッセージ>
- PCプロジェクタを使用して講義する。教科書で予習することを望む。
E-mail(自宅) mschiba@jcom.home.ne.jp
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