2010年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻

数値計算法特論(Numerical Method)[1402]


2単位
長嶋 秀世 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
コンピュータの急速な進歩により,これを用いた数値計算の方法は大きく変わりつつある。本講では数値計算法の代表的な方法について考え方から出発してその公式を導くことを行う。これは新しいことを研究する学生にとっては,与えられている計算機のライブラリをただ使えるだけでなく,新しい公式を作れるくらいの基礎的な学力と知識を与えようというものである。内容は差分法,数値微分,積分,常微分方程式や偏微分方程式の数値解法などである。各専門分野の研究を完成させるには,与えられた問題を解析し,数学的に定式化する必要がある.さらに,できた式を如何にして解くかなど数値計算法を必要とするところは多い.ここでは,コンピュータを用いて、具体的な問題をその場で解けるように演習を行い、考え方や応用を学ぶ。具体的な達成目標は、計算機のプログラムができない初心者でも、偏微分方程式の差分解法を理解し、電気系の各分野で現れる拡散方程式、波動方程式が最終的に解けるまでの実力を養う。

<授業計画及び準備学習>
1.数値計算法の目的と概要、数値計算の誤差、絶対誤差と相対誤差。
2.差分演算子、移動演算子。微分演算子と差分演算子の関係。差分を用いた数値微分。
3.差分演算子を用いた数値微分公式の導出。数値微分の数値計算演習。
4.数値積分法の概論。ニュートンコーツ型の積分公式の特徴、台形公式。
5.シンプソンの公式の導出と実際の数値積分例。
6.コンピュータを用いた数値積分の数値解法演習。
7.常微分方程式の数値解法,テイラー法,ルンゲクッタ法。
8.コンピュータを用いた常微分方程式の数値解法演習,
9.常微分方程式および編微分方程式の数値解法,予測子修正子法。
10.微分方程式の数値解法,予測子修正子法のコンピュータを用いた演習。
11.偏微分方程式を差分法で解く。初期値、境界値問題の一例。
12.偏微分方程式の解の性質。拡散方程式。
13.コンピュータを用いた拡散方程式の数値解法演習。
14.偏微分方程式の解の性質。波動方程式。
15.コンピュータを用いた波動方程式の数値解法演習。

<成績評価方法及び水準>
毎週の授業における演習結果と提出報告書の内容により評価する。

<教科書>
偏微分方程式の差分解法(東京大学出版会)、高見頴郎、河村哲也著。
数値計算法(朝倉書店)、長嶋秀世著。

<参考書>
マイコンによる数値計算法(昭晃堂),長嶋秀世,長嶋祐二共著
Numerical Analysis (McGRAW-HILL), Francis Scheid
Numerical Solution of Partial Differential Equations(OXFORD),G.D.Smith
Elements of Numerical Analysis (John Wiley & Sons), Peter Henrici

<オフィスアワー>
新宿(1214、月曜13時から14時まで)

<学生へのメッセージ>
大学院生としてふさわしい学問への取り組み方を求める。

 

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