2010年度工学院大学大学院・機械工学専攻

高分子材料物性特論(Advanced Physical Properties of Polymer Materials)[5201]


2単位
佐藤 貞雄 准教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
高分子材料は、今や航空宇宙産業から自動車、家電,OA機器、建築用部材、各種包装容器の分野に至るまでその応用範囲は多岐に渡っている.本講では、産学界の研究者に、または高度技術者に要求される高分子材料固有の物性や特性に関する知識を身に付け、与えられた課題に対し独立して対応できる研究能力を養う.
達成目標としては高分子材料及びそれらのポリマーアロイを含む複合材の機械的物性、熱的物性及び高分子の性質、特徴をを顕著に現わすレオロジー的物性などの基礎をマスターする。

<授業計画及び準備学習>
1.高分子材料の物性と分子構造との関わり(2週)
1-1 高分子を構成する主な元素の原子価と重合
1-2 物性と分子構造との関わり
2.高分子材料の物理的性質(3週)
2-1 熱可塑性と熱硬化性高分子の違いと特徴
2-2 固体及び液体下における結晶性、非晶性高分子及び液晶ポリマーの結晶状態
2-3 融点、流動点及びガラス転移点
2-4 Avrami(等温結晶)の式とOzawa(非等温結晶)の式による相対結晶化度
2-5 結晶化と機械的物性
3.高分子材料の機械的及び力学的特性(3週)
3-1 疲れ強さ(曲げ、ねじり、超音波疲労)
3-2 複合材(含ナノコンポジット、天然繊維複合材)の力学的強度
3-3 相溶性、非相溶性ポリマーアロイの機械的物性
4.高分子材料の熱物性(3週)
4-1 定常、非定常下における伝熱(フーリエの伝熱則)
4-2 高分子材料の熱伝導に及ぼす温度・圧力依存性
4-3 流動溶融高分子の熱伝達と無次元パレメーター(ニュートンの伝熱則)
5.高分子材料の加工レオロジー特性(5週)
5-1 変形と流れ(応力とひずみ、応力とひずみ速度)
5-2 P-V-T特性と状態式(等温法、等圧法、体積弾性率、圧縮率)
5-3 固体高分子のレオロジー(弾性体、粘弾性体、静的/動的加重による応力緩和とクリープ)
5-4 液体高分子のレオロジー(ニュートン流、非ニュートン流、管内の流れ、ダイスウエル、バクレー
プロット、ラビノビッチの粘度補正、溶融粘度と伸張粘度)

<成績評価方法及び水準>
与えられた課題のリポート(80%)および授業ごとのキーワード(20%)の提出により評価する.高分子材料固有の物性、性能及び特性を理解していること.特にリポートは、与えられた課題が要求している点を的確に捉えて論じ、一般的な専門書のコピー、貼り付けまたは抜書きは不可、課題に対する個人の所見を重視する。



<教科書>
特に指定しない

<参考書>
特に指定しない。必要に応じて用意した参考資料(プリント)を配布することがある。

<オフィスアワー>
八王子校舎(12-103号室)の来室は随時可、ただし、次により在室日時を確認して下さい
内線3518、TEL(直通)042-628-4459、e-mail:at76030@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
各講義においてこれまでに培った経験、研究データ及びトピックスなどを織り交ぜ、具体的な実験資料などを示しながら解り易く講述する。

 

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