2010年度工学院大学大学院・機械工学専攻

固体力学特論(Advanced Theory of Solid Mechanics)[5101]


2単位
立野 昌義 教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
「固体力学」とは、固体を対象として、固体に作用する力や温度変化とその固体が示す応力状態や挙動との関係を明らかにし、それらを力学的に体系づける学問のひとつと位置付けできる。これらの学問分野を基礎にすることにより、考えられる多くの材料の力学特性を明らかにでき、機械の設計・寿命の評価および物体の加工などに応用できる。
 本講義では、固体を扱う際の基礎的な考え方を体系的に学ぶ。さらに、物質の非線形性を扱った演習問題に着手し、材料設計の考え方を習得する。

<授業計画及び準備学習>
(1)序論(固体力学とは)

(2)応力とひずみ1
応力,三次元物体内での応力のつりあい方程式,応力成分の直行変換

(3)応力とひずみ2
ひずみ−変位関係式,ひずみの適合条件式

(4)弾性の基礎方程式1
応力とひずみの関係(一般化したフックの法則)
(5)弾性の基礎方程式2
変位および応力の基礎方程式

(6)弾性の基礎方程式3
応力とひずみの関係(一般化したフックの法則),変位および応力の基礎方程式に関する演習

(7)平面弾性問題1
Airyの応力関数による解法

(8)平面弾性問題2
Airyの応力関数による解法,極座標による平面弾性問題

(9)破壊力学1
急速破壊の力学的条件

(10)破壊力学2
き裂先端の応力分布

(11)破壊力学3
割れ進展の機構

(12)粘弾性解析1
Maxwellモデル,Voigtモデル

(13)粘弾性解析2
粘弾性解析における諸問題

(14)非線形力学演習(有限要素法、変分原理など)

<成績評価方法及び水準>
授業中に出題するレポート課題および学期末験にて成績を評価する。
期末試験(100点満点)の点数と演習点数(100点満点)に所定の比率を掛けた数値の合計が60点以上を合格とする。比率は次のとおりである。期末試験:50%,演習:50%

<教科書>
特に指定しない

<参考書>
(1)「弾性力学の基礎」、井上達夫著、日刊工業新聞社
(2)「固体の力学/理論」、Y.C.ファン著、培風館
(3)「固体の力学」、国尾武、培風館
(4)戸川隼人;「有限要素法概論(培風館)」など

<オフィスアワー>
金曜日17:00〜18:00 八号館8−254室

<学生へのメッセージ>
固体力学は機械や構造物の強度設計に必須の学問です.実際の身の回りにある機械や構造物を設計するには材料の応力や変形する性質を良く理解しておく必要があります.与えられた演習以外にも自分で問題を解き、固体力学の考え方をこの機会にぜひ身につけてください.

 

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