2010年度工学院大学大学院・機械工学専攻
カーエアロダイナミックス特論(Vehicle Aerodynamics)[4502]
2単位 高木 通俊 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- 1. 自動車車体周囲の空気力学の世界的・全国的状況を理解します。
2. 空力特性(特に空気抵抗)改善に関する具体的方法を学びます。 3. 風洞など流体力学実験法について学習します。
- <授業計画及び準備学習>
- 自動車が空気中を走行するとき、車は空気を切り裂いていきます。逆に車を止めて考えれば、車の周りに空気の流れが存在すると考えられます。カーエアロダイナミックスでは、この車体周りの流れに起因する各種の空気力学的(空力的)な課題を学習します。
自動車の空力的課題は次の4種類に分類できます。 1. 空気抵抗・ダウンフォースをはじめとする空気力 燃費、最高速、操縦性、安定性に影響する 2. 風切音やワイパーの浮きなどの、車体表面上の流れの詳細 速度変動や圧力変動が騒音を発生し、視界を悪化させる 3. エンジン冷却に関係するエンジンルーム内の流れ エンジンや冷房装置を効率的に冷却する 4. 暖冷房・換気・空調に影響する車室内流れ 人間の感性にあった空調システムの基礎としての車室内気流
講義ではこれらについての世界的・全国的な研究開発の状況や、風洞・空力天秤・流れの可視化などの流体計測技術、最近は風洞技術と肩を並べるようになったCFD (Computational Fluid Dynamics)の自動車への応用について学びます。
講義予定: 1.イントロダクション−他の性能と空力性能の関連 2.必要最低限の空気力学その1 3.必要最低限の空気力学その2 4.風洞実験技術その1 5.風洞実験技術その2 6.流体計測 7.流れの可視化 8.中間試験 9.乗用車の空力特性その1 10.風音・冷却・横風特性・視認性 11. 乗用車の空力特性その2 12.レースカー・バス・トラック・二輪車の空力特性 13.自動車のCFD 14. まとめ 15. 期末試験
- <成績評価方法及び水準>
- 中間試験、期末試験の結果を主とし、レポートや講義中の小演習の結果をもとに、成績を評価します。
- <教科書>
- ありません。
- <参考書>
- ありません。
- <学生へのメッセージ>
- 教科書がないので、ノートをしっかり取ってください(中間試験、期末試験とも自筆ノート持ち込み可です)。分からないことはすぐに質問してください。
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