2010年度工学院大学大学院・機械工学専攻

加工レオロジ―特論(Rheology in Polymer Processing)[3304]


2単位
佐伯 準一 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 レオロジーとはRheo(流動、変形)のlogos(法則)を語源としている。特に、20世紀に入り急速な進歩を遂げたプラスチック材料とその成形加工技術にとって不可欠な学問体系となっている。一方、コンピュータ能力の飛躍的向上により、計算機設計支援技術であるCAE(Computer Aided Engineering )が発展し、新製品開発時の予想問題点とその解決策の机上検討が設計業務の重要な役割を担うようになってきた。本講では、プラスチック成形加工を対象としたレオロジーの基礎とCAEとの組合せ技術の知識を身につけるとともに、産業界でのCAEの実例を通じて研究者・技術者としての実践的な課題解決能力を養う。

<授業計画及び準備学習>
1.レオロジーの基礎(流体力学、材料力学の取扱いとどこが違うか)
2.レオロジー特性の測定法(色々な測定法の利点と留意点の理解)
3.プラスチック材料の分類と特性値(どのような用途に使われ、その特徴は何か)
4.プラスチックの成形加工法(どうしてその成形法が使われるか)
5.プラスチックCAEの基礎(計算の仕組みはどのようになっているか)
6.熱可塑性樹脂CAEソフトの機能(何を入力して何が計算できるか)
7.熱硬化性樹脂CAEソフトの機能(熱可塑性樹脂との違いは何か)
8.産業界でのCAEの実例と効果(どのようにアプローチしてどのような効果を得たか)
9.研究者・技術者としての課題解決策(CAEをもっとも有効に活用するポイント)
 準備学習は特に必要ありません。

<成績評価方法及び水準>
提出レポートの内容により評価する。100点満点で60点以上を合格とする。

<教科書>
用意したテキストに基づいて講義する。また、市販のCAEソフトでのデモ、実習も行う予定。

<参考書>
レオロジーなんかこわくない! 数式のないレオロジー入門(第2版)(上田隆宣、サイエンス&テクノロジー社)、レオロジー入門(レオロジー学会)、ポリマープロセッシング・レオロジー入門(大柳 康、アグネ承風社)、図解プラスチック成形材料(鞠谷雄志/竹村憲二編、工業調査会)、プラスチック成形加工学・テキストシリーズ1〜4(プラスチック成形加工学会編、シグマ出版)などにより多少の知識を得ておくことが望ましい。また、キーワードでネット検索するとわかりやすい解説も出てくるので活用すると便利。

<学生へのメッセージ>
これまで企業において色々な製品開発に携わってきた立場から実践的でわかりやすい講義にしたいと思います。多数の皆様の聴講を期待します。

 

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