2010年度工学院大学大学院・機械工学専攻

流体計測特論(Fluid Mechanics Measurements)[0002]


2単位
飯田 明由 非常勤講師

最終更新日 : 2010/11/24

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
流体の計測手法(圧力、流量、流速、流体力等)の基礎について学ぶ.
原理だけでなく、実際の使用時における問題点、誤差、測定のノウハウについても解説する.
後半は、乱流解析、非定常データ解析を行うための統計的手法について学ぶ.

実験手法とデータ解析手法を学ぶことにより、修士論文における実験データの精度や有効性に関する検討ができるようにする.基本的には実験に関する講義であるが、流体数値解析を行っている学生にもデータ分析の基礎として有益な情報を提供する.

<授業計画及び準備学習>
1日目
1.イントロダクション
 流体力学を作ってきた巨人たち:ダビンチ、ハーゲン、ナビエ、レイノルズ、カルマン、 プラントル、ライトヒルらの功績を逸話を交えて解説する.
2.圧力計測
 圧力計測法の基礎:マノメータから感圧塗料まで
3.流量計測
 熱流体実験の基礎である流量計測について解説する.オリフィスやノズルだけでなく超音波流量計、コリオリ力流量計の原理についても学ぶ.
4.流速計測1(ピトー管)
 ピトー管の原理、5孔ピトー管の校正方法について解説する.
5.流速計測2 (熱線流速計)(
 熱線流速計の原理と乱流計測への応用について解説する.
2日目
6.流速計測3(LDV計測)
 レーザーおよび光学系の原理とLDVのについて解説する.
7.流速計測4(PIVとPTV)
 PIVおよびPTVの原理について解説するとともに画像処理技術についても説明する.
8.流れの可視化と流体力計測
 油膜法、水素気方法、スモークワイヤ、タフト法など可視化手法について学ぶ.
 流体力の測定法について実際の実験データを参考にしながら解説する.
3日目
9.ケーススタディ
各自が行なっている計測手法,解析手法の精度や技術的な課題についてプレゼンテーションを行い,課題について議論する.
10.非定常計測(サンプリング定理、エルゴート仮説)
 非定常計測の基礎となるサンプリング定理、エルゴート仮説、平均値、RMS値などの求め方について学ぶ.
11. 空力音計測
 空力音の計測手法について新幹線計測の実例を交えながら解説する.

<成績評価方法及び水準>
レポート及び講義での発表で評価する.

<教科書>
講義に必要な資料はプリントとして配布する.また、WEB上に資料を掲載する.
http://fluid.mech.kogakuin.ac.jp/~iida/Lectures/master/measure.html
講義前に上記URLを参照しておくこと.

<参考書>
乱流入門 H. Tennekes (著), J.L. Lumley (著), 藤原 仁志 (翻訳), 荒川 忠一 (翻訳) 東海大学出版会
流体実験ハンドブック 笠木 伸英 (編集), 朝倉書店

<オフィスアワー>
土曜日 13時から15時(新宿)
メールで事前に確認してください.(iida@me.tut.ac.jp)

 

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