2009年度工学院大学大学院・電気・電子工学専攻
数値計算法特論(Numerical Method)[1402]
2単位 長嶋 秀世 非常勤講師
- <授業のねらい及び具体的な達成目標>
- コンピュータの急速な進歩により,これを用いた数値計算の方法は大きく変わりつつある。本講では数値計算法の代表的な方法について考え方から出発してその公式を導くことを行う。これは新しいことを研究する学生にとっては,与えられている計算機のライブラリをただ使えるだけでなく,新しい公式を作れるくらいの基礎的な学力と知識を与えようというものである。内容は差分法,数値微分,積分,常微分方程式や偏微分方程式の数値解法などである。各専門分野の研究を完成させるには,与えられた問題を解析し,数学的に定式化する必要がある.さらに,できた式を如何にして解くかなど数値計算法を必要とするところは多い.具体的な達成目標は、計算機のプログラムができない初心者でも、偏微分方程式の差分解法を理解し、電気系の各分野で現れる拡散方程式、波動方程式が最終的に解けるまでの実力を養う。
- <授業計画>
- 1 数値計算法の目的と概要。差分法、主な差分公式。
2 差分演算子、移動演算子。微分演算子と差分演算子の関係。差分演算子を用いた数値微分法。 3 差分商列を 用いた 逐次数値微分法。微分公式の精度の向上。 4 常微分方程式の数値解法,テイラー法,ルンゲクッタ法。 5 常微分方程式および編微分方程式の数値解法,予測子修正子法 6 常微分方程式を差分法で解く。初期値問題。近似度の高い差分方程式。境界値問題。 7 偏微分方程式を差分法で解く。初期値、境界値問題の一例。 8 偏微分方程式の解の性質。拡散方程式。 9 偏微分方程式の解の性質。波動方程式。 10 偏微分方程式の解の性質。ラプラス方程式。 11 差分法による偏微分方程式の解法。差分方程式の解が微分方程式の解に収束する為の条件。 12 差分法による偏微分方程式の解法。安定条件の具体的な表現−フーリエ分会の方法。 13 差分法による偏微分方程式の解法。拡散方程式、波動方程式の解法の具体例。 14 偏微分方程式の解法の安定条件の具体的な表現。 15 偏微分方程式の境界値問題。ラプラス演算子の意味、ポアソン方程式の境界値問題。
- <成績評価方法及び水準>
- 授業及びレポートの内容により評価する。
- <教科書>
- 偏微分方程式の差分解法(東京大学出版会)、高見頴郎、河村哲也著。数値計算法(朝倉書店)、長嶋秀世著。
- <参考書>
- マイコンによる数値計算法(昭晃堂),長嶋秀世,長嶋祐二共著
Numerical Analysis (McGRAW-HILL), Francis Scheid Numerical Solution of Partial Differential Equations(OXFORD),G.D.Smith Elements of Numerical Analysis (John Wiley & Sons), Peter Henrici
- <オフィスアワー>
- 新宿(1214、月曜13時から14時まで)
- <学生へのメッセージ>
- 大学院生としてふさわしい学問への取り組み方を求める。
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