2009年度工学院大学大学院・機械工学専攻

創造工学特論(Technology Creation)[0002]


2単位
畑村洋太郎 特別専任教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2009/12/01

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
社会や人間が求めている新しい技術をどうすれば生み出すことができるかを取り扱う。手本のない新たな技術を生み出すには豊かな着想と挑戦の心意気が必要なことはいうまでもないが,ものごとを仔細に考え,人間の思考の法則性を積極的に利用し,また創造能力を高めるための努力も重要である。本授業ではこれらのことを総合して取扱い,創造能力の涵養を目指す.
 次に,創造に伴って必ず生じる失敗を取り上げ,失敗の特性,失敗を生かすやり方,失敗の必然性,失敗知識の伝達などについて学ぶ.
 以上,2つのテーマを学ぶとともに,事故事例等の問題の中から課題を取り上げ,それを解決する方法を学ぶ.

<授業計画>
[事前自主学習]

受講前に教科書「技術の創造と設計」と「DVDBookだから失敗は起こる」を読み,与えられたテーマについて自分で課題を設定し,その課題解決のために頭の中に浮かんだ想念を書き出して「思考平面図」を作り,そこから最終的な構造を構築し「思考展開図」を完成させて提出する.

テーマ “危なくないエレベータ”
2006年に起こった港区のエレベータ事故のような事故を減らす目的で,“危なくないエレベータ”を考える.なお,課題解決には,センサ等制御システムを用いずに,メカニカルで停止する本質安全な緊急停止ドアを目指す.ただし,エレベータの他の事故事例をもとにしてもよい.

      提出期限  2009年7月3日(金)午後4時
      提出先  新宿校舎17階 機械系学科事務室(レポート提出用ポスト)


[講義] 技術の創造と設計

 A.問題提起−今,日本で何が起っているか−
 B.失敗学のすすめ
 C.創造学のすすめ
 D.考えを作る
 E.問題解決への提言

[発表] 最終日に事前自主学習のテーマについて選抜者約3名が発表する.

[レポート] 授業を受けて考えたこと,感想等をA4サイズ1枚にまとめて提出する.

      提出期限  2009年7月27日(月)午後4時
      提出先  新宿校舎17階 機械系学科事務室(レポート提出用ポスト)

<成績評価方法及び水準>
出席日数と提出物により採点し,60点以上を合格とする.

<教科書>
(1) 畑村洋太郎著:技術の創造と設計(岩波書店,2006)
(2) 畑村洋太郎:NHK出版 DVD+BOOKだから失敗は起こる(日本放送出版会,2007)

<参考書>
(1) 畑村洋太郎編著:実際の設計――機械設計の考え方と方法(日刊工業新聞社,1988)
(2) 畑村洋太郎編,実際の設計研究会著:続・実際の設計――機械設計に必要な知識とデータ(日刊工業新聞社,1992)
(3) 畑村洋太郎編,実際の設計研究会著:続々・実際の設計――失敗に学ぶ(日刊工業新聞社,1996)
(4) 畑村洋太郎:みる わかる 伝える(講談社,2008年)

<参考ホームページ>
畑村創造工学研究所 http://www.sozogaku.com/
特定非営利活動法人失敗学会 http://www.shippai.org/
実際の設計研究会http://jissai.sakura.ne.jp/

 

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