2007年度工学院大学大学院・建築学専攻

西洋建築史特論(Architectural History and Theory in Europe)[5505]


2単位
中島 智章 准教授  
[ 教員業績  JP  EN ]

最終更新日 : 2007/06/04

<授業のねらい及び具体的な達成目標>
 歴史とは人類共通の記憶です。3秒前のことを覚えていなくても生理的に命を保つことは可能ですが、それなくして人や集団のアイデンティティは確立しないでしょう。
 また、建築学は建築をつくる学と建築を認識する学の二つに分かれますが、ほとんどの分野が前者に属するなか、後者については、それ自体が自己相対化の思考様式である歴史学に委ねられているといっても過言ではありません。
 この授業では、建築史学の様々な方法を通じてひとつの建築の様々な文脈上のあり方を浮彫にしていきます。今回、取り上げるのはヴェルサイユ宮殿です。近世的世界の総決算であると同時に近代的世界へと転換する結節点でもあったこの宮殿は、フランスのみならず、近代社会に生きる私たちにとっても重要な建築です。
 さらに、授業前半で建築史学の様々な方法をみた後、授業後半では論文講読を通じて、建築史学のみならず諸学に共通する論文執筆作法を学ぶことを目的としています。

<授業計画>
1. 序−建築史学の方法論
  研究の目的と方法、史料と参考文献
2. ヴェルサイユ宮殿造営史の研究史
  いわゆる「包囲建築」造営をめぐる諸説
3. ヴェルサイユ宮殿「包囲建築」の設計手法
  各広間の機能と天井画構想をめぐって
4. ヴェルサイユ宮殿の給水技術
  マルリーの機械の機構、発明者をめぐる諸説
5. ヴェルサイユ宮殿と新旧論争
  2種類の「美」、鏡の間の天井画主題の変遷
6〜12. 論文講読

<成績評価方法及び水準>
出席状況が良好で、論文購読を受け持った者だけがレポート課題に取り組むことができる。
このレポートが60点以上の者に単位を授ける。

<教科書>
授業毎に配布するレジュメ。

<参考書>
陣内秀信他:『図説 西洋建築史』、彰国社、東京、2005年。

 

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