2006年度工学院大学大学院・化学応用学専攻
☆有機合成化学特論(Synthetic Organic Chemistry)[1103]
2単位 宮下 正昭 教授
- <授業のねらい>
- 抗生物質や抗癌剤など重要な医薬品の多くは、鎖状有機分子にメチル基と水酸基が交互に隣接したポリプロピオネート構造を含んでいる。環状立体制御法に比べ無限の立体配座を取りうる鎖状有機分子の立体制御は格段に難しく、鎖状系有機分子を高立体選択的に作り分ける精密有機合成手法の開発は現代有機化学の重要な課題となっている。本講義では、鎖状系有機分子を立体特異的に合成する有機合成手法ならびに天然物合成への応用について分かりやすく解説し、最先端の精密有機合成化学について学ぶとともに、考え方や方法論の理解を目指す。また後半では顕著な生物活性と複雑な化学構造を有する多環状天然物の化学合成について学ぶ。
- <授業計画>
- 1. アルドール反応の立体化学および不斉アルドール反応
2. エポキシドの開環反応を基軸とする鎖状立体制御法 3. γ,δ-エポキシ不飽和エステルを基盤とする立体特異的鎖状有機分子構築法 4. ポリプロピオネート構造の立体選択的構築 5. 二重立体反転を伴う鎖状有機分子構築法 6. SN2'反応を用いる新規鎖状立体制御法 7. 抗生物質および抗癌剤への応用 (1) アンサマイシン系抗生物質の全合成 (2) テトラミンサン系抗生物質の全合成 (3) 強力な抗癌活性を有する海産天然物の全合成 (4) イオノフォア抗生物質の全合成 8. 骨粗鬆症治療薬として期待されるゾアンタミン系アルカロイドの化学合成
- <参考書>
- 大学院講義有機化学 II.有機合成化学・生物有機化学(東京化学同人)
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