2019年度工学院大学 学芸員課程科目

博物館展示論(Display for Museum)[8023]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
太田 美喜子 非常勤講師  
最終更新日 : 2019/11/12

<授業のねらい>
展示資料は、その所有者が公的機関であっても個人であっても人類の貴重な財産です。それら資料の種類や特性によって展示の仕方は異なり、学芸員たちはより良い展示のために日々試行錯誤をしています。本講義では、学芸員の展示活動の実際を知り、展示資料に対する理解を深めることで、博物館の社会的役割を考察する。

<受講にあたっての前提条件>
学芸員課程に登録していること。

<具体的な到達目標>
博物館・美術館(=ミュージアム)のはじまりや歴史をふまえ、学芸員が何を目的として展示資料を選定しているか、またその展示方法を資料の扱い方ともに学習し、理解します。

<授業計画及び準備学習>
第1回
@イントロダクション ガイダンス
Aミュージアム前史と展示の概念
Bミュージアムの発祥であるヨーロッパの美術館・博物館の展示の歴史
第2回
C日本の美術館・博物館の展示の歴史
D展示の役割
E所蔵作品と企画展示
第3回
F展示の種類
G展示計画とその作り方
H展覧会の準備について
第4回
I展示方法と実際 
J展示空間の形成について
K展示会場の照明、展示備品、材料について
第5回
L展示資料の扱い方
M作品輸送や展示作業で起こる出来事や問題
第6回
N展示の今後の課題
O美術館見学と日本のミュージアムの現状
P授業の振り返り、まとめ

準備学習
○前もっての予習は必要としないが、ジャンルを問わずなるべく多くのミュージアム(博物館、美術館、文学館、科学館、動物園、水族館など)を見学しておくこと。
○見学した際、展示物はもちろんのこと、それらがどのように展示されているかをよく観察し、その意図や気づいた点、気になった点をまとめておくこと。
○展示会場のキャプションや解説パネルについても、言葉の使い方、文字の大きさや余白を含め、その作り方を観察すること。

<成績評価方法>
講義の出席状況=30点(5点×6回)
講義内での積極的な発言=10点
毎講義内でのリアクションペーパーの提出=60点(10点×6回)
合計100点満点で評価し、60点以上を合格とする。
リアクションペーパーの記述内容は、設問の意図を理解していない場合は評価できませんので、注意してください。

<教科書>
講義ごとにプリントを配布します。

<参考書>
藤原工『学芸員のための展示照明ハンドブック』講談社 2014年
君塚仁彦、名児耶明編『現代に生きる博物館』有斐閣ブックス、2012年
大堀哲、水嶋英治編著『博物館学2 博物館展示論 博物館教育論』学文社、2012年
日本展示学会出版事業委員会編『展示論-博物館の展示をつくる』雄山閣、2010年 など

<オフィスアワー>
授業の前後、休み時間(非常勤講師控え室、または教室)

<学生へのメッセージ>
日頃、博物館や美術館を訪れていますか。色々な制約のある中、展覧会の会場構成、作品の展示方法には、来館者に伝えるための学芸員のアイデアや苦労がつまっています。展示物そのものを楽しむと同時に、どうしてこのような展示になっているか、気にしながら観覧してみてください。
また、一般的に学芸員の仕事については、誤解されている、また知られていない部分が多くあります。展示論を通じて、その実際を知っていただきたいと思います。

<備 考>
美術館見学を行う予定です。


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