2019年度工学院大学 教職課程科目

道徳教育の理論と方法(k)[9334]

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2単位
内山 宗昭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2019/11/12

<授業のねらい>
道徳教育の理念や歴史、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育と道徳科の指導計画等について学ぶ。道徳教育の今日的な課題とは何かを考えてゆく。思想史、学校における道徳教育の歴史を学ぶとともに、現代の道徳教育の課題について考えてゆく。道徳教育の実際的な指導法を修得するため、教材研究、多様な方法論の学習、指導案の作成と模擬授業を通して学修する。指導案作成は各段階を必ず達成し、個別指導ならびに発表を実施する。理念的な事項を学ぶとともに、並行して各自が道徳指導案の作成と発表そして模擬授業として発展的に継続してゆくことを通じて指導法の修得をしてゆく。

<受講にあたっての前提条件>
道徳教育の指導案作成をしてゆくので、各自の草案を考えるための情報集めをしてほしい。具体的には講義初日に指示する。

<具体的な到達目標>
学修の具体的な達成目標・テーマは以下の通り。1)道徳教育の在り方について学習を進めながら理念的な内容について、基本的な概念の理解をするとともに、自分の問題として意識し表現・記述する手段を身につける。 2)学校における道徳教育に関して、歴史的な観点、いじめや情報モラル等を含む生徒を取り巻く環境・実態、道徳性の発達段階等を学び、現代の課題を考えてゆくという視点を持つ。 3) 学習指導要領の道徳教育及び道徳科の目標・主な内容を理解し、学校における道徳教育の指導計画や教育活動全体を通じた指導体制について理解する。 4)学校教育の道徳教育の指導法の実際について修得する。5) 道徳科の学習指導案を作成する。6) 模擬授業により授業計画とその改善について修得してゆく。 7)道徳教育の多様な方法論や評価法、家庭・地域社会との連携等を学ぶ。

<授業計画及び準備学習>
1. [道徳教育の現状] 学校における道徳教育の状況等を紹介しながら、導入的講義を行う。現代社会における変化と学校の道徳教育の役割を考える。授業事例の回覧を開始。
準備学習 各自の道徳教育の経験を振り返りまとめる
2. [「道徳」とはなにか] 道徳観の多様性、学校教育での「道徳」のとらえ方等から道徳の本質を考える。比較文化的・多文化的な視点から道徳の種々相について考える。
準備学習 各自の道徳観・道徳教育の意義について記述する。指導案作成への準備。
3.[道徳教育の体制・指導計画] 学習指導要領「道徳」について。学校での道徳教育の実践的目標・内容等について触れてゆく。教育活動全体を通じた指導体制や道徳科の位置づけ、家庭・地域社会との連携等を学ぶ。道徳科に関わる全体計画、年間指導計画、単元指導計画等、事例をとりあげる。
準備学習 学習指導要領「道徳」についてまとめる。指導案作成への準備。
4. [道徳性の発達・道徳教育の方法論1] 道徳性の発達段階説、生徒の道徳性をめぐる諸状況等、指導のための諸理論、関連する道徳教育の方法論について学ぶ。
準備学習 道徳性の発達段階説のまとめ 方法論のまとめ
5. [道徳教育指導案作成1] 準備した各自の指導案作成を進め、個別指導を実施する。1では、主題設定と教材選択について実施する。
準備学習 指導案作成・発表準備
6. [道徳教育指導案の発表] 各自の指導案をもとに授業を想定した発表を実施し討論を行う。意見交換をもとに多様な観点・資料・方法について共有してゆく。
準備学習 討論のまとめ
7. [道徳教育指導案作成2] 2では、主題設定の理由作成とその深化・焦点化について実施する。個別指導を実施するとともに全体で共有する。
準備学習 指導案作成注意事項のまとめ 
8. [道徳教育の歴史 1] 日本の近世の道徳教育、近代学校における戦前の道徳教育まで、思想史的・教育史的な視点から、文化の問題も含めて道徳の種々相について考える。
準備学習 道徳教育史(戦前)のまとめ
9. [道徳教育の歴史 2] 学習指導要領の変遷も含めた、戦後の学校の道徳教育の歴史をたどり、現代の道徳科に至る課題にまで及ぶ。
準備学習 道徳教育史のまとめ
10. [道徳教育指導案作成3] 3では、指導過程の作成を実施し、さらに指導法について検討を重ね修得してゆく。
準備学習 指導案作成と改善
11.[道徳教育の事例・道徳教育の方法論2・評価] 諸事例について紹介をしながら、道徳教育における指導の方法論やその評価等について取り上げる。
準備学習 模擬授業の準備
12. [模擬授業 1] 模擬授業を実施 質疑応答 指導上の留意点につき学修
準備学習 模擬授業の準備
13. [模擬授業 2] 模擬授業を実施 質疑応答 改善策の検討
準備学習 模擬授業の改善点のまとめ
14. [道徳教育の課題とまとめ・学習内容の振り返り] 道徳教育の今日的課題、学校の道徳教育の在り方について検討する。全体のまとめ 課題の実施。
準備学習 指導案及び講義に関するまとめ
準備学習全般を通して各自の模擬授業に向け「資料の選定」「主題設定の理由」「指導過程」を含む指導計画案の準備をすること。講義と指導計画・模擬授業と組み合わせていることを有効活用してスケジュールを立てること。

<成績評価方法>
試験(70%)、授業時の小レポート(30%)の割合で総合評価する。Grade D 以上の者に単位を認める。

<教科書>
内山宗昭・栗栖淳編著『道徳教育の理論と方法』成文堂
『中学校学習指導要領』『高等学校学習指導要領』
『中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』

<参考書>
桃崎剛編『とっておきの道徳授業 中学校編』シリーズ・日本標準他

<オフィスアワー>
八王子校舎 水曜日13:00〜13:30 総合教育棟 1E-309研究室
新宿校舎  木曜日13:00〜14:00 A-2733研究室
ft87115@ns.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
道徳教育のあり方を考えてゆくのがテーマとなってゆきます。それぞれに自分の考えをまとめていってほしいと思いますが、教材の研究という観点を少しずつ勉強してゆきたいと思います。


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